日本の木工旋盤加工の出来る業者の皆様、ボードゲームの駒事業に参入されませんか?
— ペンとサイコロ@ゲムマ春はお休み (@pen_n_dice) 2017年4月22日
現在日本で制作・購入出来ないため、ドイツ・アメリカなどから輸入しているのが現状です。
染色が出来ればより高付加価値に、生成りでも需要はあります。
ぜひご一考を。
不明点があれば、ぜひご相談ください。 https://t.co/nU5FmPPfrk
このツイートが300RTを超え、コメントも頂いています。ありがたいお話です。
さて、ボードゲームの駒の市場は日本にあるでしょうか。
ボードゲームを作って色々と分かったことがありますが、改めて日本の「同人誌文化」って凄いです。
小規模の印刷に関してはそれこそ10部~10000部以上まで、
部数・紙質・納期に応じてとんでもない数の選択肢が用意されている。
その上印刷品質も高い。
海外で雑誌とか買うと、既製品なのにアミが普通にずれてたりしますからね。
これだけ小規模印刷の環境の充実した国は他にないんじゃないでしょうか。
一方でボードゲーム作り視点で見れば、取説以外のものを作るには一気にハードルが上がる感があります。
ボード・チップ・カード。どの印刷一つとっても、できる業者さんが二桁ぐらい減ります。
そして一番辛いのが、紙以外の素材パーツ。
サイコロや木製の駒は日本製ではまず手に入りません。
サイコロや木製駒
サイコロなんか普通に手に入らないの?と思われるでしょうが、
数個ならともかく、1000個を超えたあたりで日本での入手はかなり難しくなります。
例外は麻雀用の小さなサイコロ。(白い、小さいヤツ)
あれだけは大量に、安く手に入ります。
私の場合は「陰陽賽」で4色×各4個=16個のサイコロを使用していますが、これは以前はアメリカから、今はイギリスから輸入しています。
「キャプテンダイス」や「ダイ公望」もダイスをたくさん使用されますが、皆さんどう購入されているんでしょうね。気になります。
そして木製駒。
日本には将棋という市場がありますが、将棋駒を作れるところはそれ以外を作ってくれません。ただのディスク・キューブ形状でも、国内での調達は難しいのではないでしょうか。
ただし、プラスチックのキューブは国内での購入が可能です。
木の駒で商売になるのか
ゲーム「かいちん」制作時には木工業者にいくつも問い合わせを行ったのですが、全て断られました。
結果としてはこの駒はベトナムで生産されています。
「日本の賃金は高いから単価の安い木の駒は仕事にならない」
と思われるかもしれませんが、実際に木駒を買うなら日本より人件費の高いドイツやアメリカから買うことになります。
また、サイコロに至っては大手企業はほとんどアメリカです。
まぁ、こちらはカジノ産業という巨大資本がバックに絡んでいる気がしますが。
そもそも、愛知県犬山市の「リトルワールド」のドイツ館の解説によると、ドイツの木ゴマ制作は家庭内手工業で出来る産業として始まったとのこと。
日本のこけし産業に近いと思います。
日本でも独楽(こま)やこけし作りが地場産業として残っている地域がありますが、それがドイツでは「くるみ割り人形」だったそう。
いずれも木工旋盤で加工出来ますが、ドイツの木ゴマ作りはその「外周部分」を使っているのが特徴です。
つまり丸太を買って、周辺部分を駒に、中心部分をくるみ割り人形にしたというお話しのよう。
それがボードゲーム産業400億のドイツ市場を支える、産業になっている訳です。
木の産業は大きく板材・家具・パルプ(紙に加工)などに分かれるそうですが、家具産業は昭和のバブルを過ぎて緩やかに衰退し、パルプはほとんどが輸入になっているそう。
(林野庁の統計資料より)
森を作るには50年も時間が掛かるため、需要が増減したからと言っておいそれと供給量を変えられません。
この10年で板材の国内供給率は8割に達するなど、日本の林業の力は十分あるので、それを生かす用途を少しでも増やせればと思ったことが今回の提案に繋がりました。
実際に、国内で流通コストが削減出来るなら、上手くすればアジア諸国と戦えるのでは?と思っているのですがどうでしょうか。
木のディスクを販売します
とはいえ需要がなければ製造業者も手を挙げられません。
実験として、私が「かいちん」で制作したディスクを販売します。
これが全てというわけではありませんが、売上は公開しますので
日本のボードゲーム産業における需要を見る一つの目安になれば幸いです。
Steamとか中国とか、粗製乱造してる市場見てると、微笑ましくなりつつもその中から定期的にタマが出てくるので、粗製乱造できない市場は不健全だし、日本の市場は不健全だと思う。失敗できないから経験値たまらなくて金かけたゴミが出てくる。
— 信頼できる情報筋によると (@mizchi) 2017年4月24日
これって本当にその通りだと思っていて、私の今回の提言や、販売テストが最良の策だとか、正しいとは思っていません。
でも、とにかくアクションを起こさなければ始まらないと思うんです。
このアクションが失敗しても、私は痛くありません。
(部品在庫を販売するだけなので)
ただ、色々な事を考えるきっかけになればと思った次第です。
今回は販売だけが目的ではありませんので、「こうしたことならできます」「こうしてはどうか」といったご提案、ご意見もぜひ頂ければと考えています。