ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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ボードゲーム制作者アンケート、最終集計「+α」

先日のゲムマ秋 制作者向けアンケートは
その後もポツポツと回答を頂き、最終的に94件の回答を頂きました。
ご回答頂いた皆様、改めてありがとうございます。

 

ここに改めて最終報告をさせて頂くと共に、
少ない質問件数ではありますが、複数項目でのクロス集計結果を報告します。

集計結果(更新)

各質問項目について、最終結果に更新します。

大きな傾向は変わっていませんので、コメントは付けません。

質問1:ゲームマーケットの参加形態を教えて下さい 

 

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  • 一般/試遊 無し : 33 (35.1%)
  • 一般/試遊 あり : 56 (59.6%)
  • 企業/試遊 あり : 5 (5.3%)

質問2:ゲームマーケットへの出展は何回目ですか 

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  • 初めて : 24 (25.5%)
  • 2~3回目 : 26 (27.7%)
  • 4~6回目 : 29 (30.9%)
  • 7回以上 : 15 (16%)

売上について

質問3:販売数はどれぐらいですか(数量/サークル計)

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  • 1~10個 : 5 (5.3%)
  • 11~25個 : 12 (12.8%)
  • 26~50個 : 22 (23.4%)
  • 51~100個 : 20 (21.3%)
  • 101~200個 : 14 (14.9%)
  • 201~400個 : 14 (14.9%)
  • 401個~999個 : 6 (6.4%)
  • 1000個~ : 1 (1.1%)

質問4:販売金額はどれぐらいですか?(金額/サークル計)

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  • ~1万円未満 : 7 (7.4%)
  • 1万~3万円未満 : 8 (8.5%)
  • 3万~5万円未満 : 9 (9.6%)
  • 5万~10万円未満 : 21 (22.3%)
  • 10万~20万円未満 : 19 (20.2%)
  • 20万~40万円未満 : 11 (11.7%)
  • 40万~60万円未満 : 8 (8.5%)
  • 60万~100万円未満 : 7 (7.4%)
  • 100万~150万円未満 : 2 (2.1%)
  • 150万~200万円未満 : 1 (1.1%)
  • 200万円以上 : 1 (1.1%)

利益について

質問5:イベント全体としては黒字ですか?

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  • 赤字 : 50~100万円未満 : 1 (1.1%)
  • 赤字 : 30~50万円未満 : 1 (1.1%)
  • 赤字 : 10~30万未満 : 10 (10.6%)
  • 赤字 : 1~10万未満 : 30 (31.9%)
  • ほぼトントン : ±1万円以内 : 14 (14.9%)
  • 黒字 : 1~10万円未満 : 19 (20.2%)
  • 黒字 : 10~30万円未満 : 12 (12.8%)
  • 黒字 : 30~50万円未満 : 4 (4.3%)
  • 黒字 : 50~100万円未満 : 1 (1.1%)
  • 黒字 : 100万円以上 : 2 (2.1%)

質問6:実際のところ、ボドゲ作って利益出てますか?(今までの累計)

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  • 赤字 : 48 (51.1%)
  • 黒字 : 46 (48.9%)

 

追加集計

複数の項目についてクロス集計を行いました。

出展回数と赤字・黒字

赤字・黒字の集計を出展回数別にまとめました。
結果は以下の通り。

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トータルでは50:50でしたが、

やはり初回出展での黒字化は難しく、8割は赤字という結果でした。
逆に回数を重ねると黒字のサークル様が増え、その比率は60~70%に。
「赤字の所は辞めていくから、ただの生存者バイアスでは?」
という結果にも見えますが、長く続けているサークルには
ちゃんとノウハウがあるでしょうから、そうした所に相談して、
ノウハウを吸収するのは良いことだと思います。

 

試遊の有無と販売数

出展形態と販売数に相関があるか、グラフにしました。
(企業ブースは省いています)

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試遊のあるブースは全体的に売上げが多い、という訳でもなく、相関の読みにくい、微妙な形になっています。

  • 25個未満は少ないことから、試遊をする事である程度の販売には繋がっているようです
  • 逆に100個以上の販売は、試遊のないブースの方が多いです。試遊の不要な、名前の売れているサークルが多いためと思われます。

 

試遊の有無と利益

では試遊の有無で利益はどうなるのか?
こちらでは企業の結果も入れました。企業ブースは赤字無し。さすがです。

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全体的に、赤字は試遊のあるブースの方が多い印象です。
これは当然、試遊に色々とコストが掛かるためですね。
(試遊用のサンプルの用意、人手、什器等々)

50万以上の赤字って、着ぐるみでも作ったんでしょうか?

利益ベースで見ると、試遊は無い方が有利に見えます。

 

両方経験している身からすると、納得できる結果です。

短期的には試遊は手間が掛かる上に儲かりません。

ただ、確実に人の目に触れる良い機会にはなりますので、その点をどう考え、どう生かしていくかだと思います。

私も次回のゲムマ神戸では「企業ブース/試遊あり」で出展する予定ですし。

 

総括(ボードゲーム制作者、ご購入頂く皆様に)

集計結果は以上です。

これからボードゲーム制作を始めようと考えられている方だけでなく、現在既に出展されている方にとっても、「隣の芝生は何色か」を知るデータになったのではないかと思います。

この他の集計では、数を売っているにも関わらず、販売単価が200円程度で利益が出ていないブースがあったり、販売数はごく少数でも、単価が8000円程度で利益が出ているブースがあったりという様子が確認されました。

(データが分かりにくかったり、ブースの特定に繋がる可能性があったためグラフは載せていません)

出展回数と利益の相関で分かるように、コストの掛かるボードゲーム制作では、長く続けるにはそれなりに利益を追い求める姿勢も大切です。

長く作って、長く遊ぶためには、適正な値付けで売り手・買い手双方がハッピーな市場を作り上げていく。このアンケートがそうした共通認識を作る一助になれば幸いです。

 

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