ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

新ゲーム案「五次元将棋」について

新しいものを考える時に面白いのは、
「たくさん考えたから受ける/売れる」とは限らないこと。
逆にぱっと思いついた物が予想外に受けたりするので難しいところです。

 

先日、ふとゲームのネタを思いついて勢いだけで試作したところ、

予想外の反応を頂いています。

それがこの新作(案)「五次元将棋」


元ネタは あさりよしとお先生の「宇宙家族カールビンソン」という漫画。
「おとうさん」は作中でもかなり最強&謎のキャラクターですが、彼がやっていたのは
チェス・将棋・囲碁・チェスを同じ盤面で遊ぶ「四次元将棋」でした。

「あれは一体どういうゲームだったんだろう」

を考えるうちに、こんなゲームができあがりました。

ゲームは5つのゲームのルールがランダムに変化します。
だから「五次元将棋」。
名前を使うからには一言お伝えしなければと、フォローさせて頂いている先生に
直接メッセージをさせていただいたところ、快諾頂きました。

あさりよしとお先生、不躾なお願いにも関わらず本当にありがとうございます。

反応で面白かったこと

ゲームを作って、こんなに反応を頂いたのは初めてです。
(今まで一番反応があったのはドイツ事情のブログ記事)

「ペンとサイコロ」のゲームはこうした基準で作っています。

  • 世界で遊べる(言語依存しない、英文ルールを付ける)
  • ハードルが低い(大喜利・完全情報などスキル依存の大きいゲームは作らない)
  • 和風である(世界に出た時に日本のゲームと分かる)

今回は元々製品化を想定していなかったのでこうした基準を全く考えていません。
ネタとして公開して終わりにするつもりでした。
しかしこれだけ反応を頂いているからには、製品化した方が良いのかと考え始めています。

こうしたきっかけとなったのは、いろいろな方からの反応です。

ありがとうございます。

なぜ12面ダイス?

これだけでも面白くないので、最後にゲーム制作の技術的なお話を一つ。

このゲームではゲームのターン数を決めるのに「12面ダイス」を使用することを考えています。

12面ダイス 不透明 白色

12面ダイス 不透明 白色

 

 「12面ダイスなら、6面ダイス2個を使っても良いのでは?」

という声がありましたが、6面ダイス×2と12面ダイスでは、動きが違います。

まずは数学のお話

数学、というと難しそうに感じますが、やることは単純です。
12面ダイスが出せる数字は以下の通り
  1
  2
  3
  4
  5
  6
  7
  8
  9
  10
  11
  12
どの数字も均等に出る可能性があります。
数字の平均(期待値)は6.5


では6面ダイス2個ではどうか。
出る数字は次のようになります。
  2
  3 /3
  4 /4 /4
  5 /5 /5 /5
  6 /6 /6 /6 /6
  7 /7 /7 /7 /7 /7
  8 /8 /8 /8 /8
  9 /9 /9 /9
  10/10/10
  11/11
  12
同じ数字が並んでいるのは、組み合わせで同じ数字が出る場合があるからです。
(例えば 3なら「1/2」「2/1」の組み合わせ)
この平均(期待値)は7
足し算するので「1」が出なくなることが分かります。

また中心の数字ほど組み合わせがたくさんあり、出やすいことが分かります。

出方の違いとゲーム性

12面ダイスではどの数字が出るかは全く分かりません。
それに比べて、6面ダイスでは「6~8が出やすそう」と分かります。
この感覚を持っているかはダイスを2つ使ったゲームを遊ぶ時に大きく効いてきます。
例えばモノポリーでは強制的に停止する可能性がある「牢屋」から7マス前後に
物件を買うと、止まる可能性が高くなります。

モノポリーNEW

モノポリーNEW

 

カタンでは数字の出やすさがわかりやすく数字の大小として記載されています。

カタンの開拓者たち スタンダード版

カタンの開拓者たち スタンダード版

 

ではなぜ「5次元将棋」では12面ダイスを使うことを考えているか?

数字の出やすさがある、ということは戦略性に繋がります。
つまり、「次のルールは6~8回ほど続くはずだ」と考えられるわけです。

しかし12面ダイスではそれが全く読めません。

読めないということは完全な運となります。

  • 6面ダイス2個:より戦略性の高いゲーム
  • 12面ダイス1個:より運の要素の強いバカゲー

という「意図」をダイスの選択から決めていくわけです。

 

ただ余りにバカゲーにしてもゲームが終わらず、運に引っ張り回されても面白くありません。

そこでゲームでは「必殺技」として、「ダイスの目を指定できる」トークンを2つ用意します。

これで運の要素に振れたルールを、ちょっと戦略寄りに戻すことが出来ます。

 

ゲームの要素は足し算と引き算で調整しますが、それぞれの調整にはこんな意図があるという一例でした。

もちろんここからテストプレイで「感覚的な」調整を行います。

現段階ではこのゲームは全然テストしていないので、あくまで脳内での調整状態です。