ドイツの町並みと「進撃の巨人」
ドイツというと石造りの町並みを思い浮かべますが、第二次大戦時に全域で爆撃を受けた国でもあり、実際に古い町並みがそのまま残る街はそれほど多くないそうです。
今回そんな古い町並みの残る街、「Freiburg(フライブルグ)」に行ってきました。
街は爆撃を逃れた大聖堂を中心に、古い町割りがほぼそのまま残っています。
「大学の街」また「環境の街」としても有名。
街を歩いていると「進撃の巨人」をやたらと思い浮かべたので、「あの作品で街中の移動に立体起動を使う理由」を考えてみました。
石の街
ドイツの街はこのような感じで、基本は石造りです。
爆撃でも多くの構造物は残ったそうで、古い石の構造をベースに壁や屋根を再建したとのこと。
町並みはこのようになっていて、確かにこの道に巨人を誘い込めば、上から攻撃できそうです。
石の屋根
ところが、この屋根が日本とは違います。
こちらでよく使われる屋根材は「スレート」と言われる粘板岩、要は薄い岩(頁岩)です。
基本的には薄くスライスした石を載せて瓦として使います。
石を留めるために上部に2点ほど穴を空けて、屋根に結わえ付ける、というシンプルな構造。
日本のように成形された瓦としてはスペインの「スペイン瓦」がありますが、この辺では見かけませんでした。
ところで屋根の役割は何か。
色々ありますが、基本は「防水(防雪を含む)」です。
スレート締結用の穴からは水が入り込むので、スレートは三段重ね、四段重ねに積む必要があります。
また、水はけが悪いので、屋根の斜度は45°以上にしなければいけません。
ということで、この辺の屋根はやたら急な作りをしています。
やたらと屋根が急なのは、スレートのせい
ちなみに今はスレート「風」の屋根材を使っているので、水はけ用としてはそこまでの斜度は必要ないんですが、そこは好みの問題なのか、積雪対策か、そこまでは分かりません。
というわけで、日本と違ってドイツでは屋根を歩く(走る)のはかなり困難です。
屋根のてっぺんは歩けるでしょうが、これでは複数人で同時には歩けません。
屋根を歩くのではなく、楔を打ってつり下がった状態で屋根を走り抜ける。
進撃の巨人では「立体起動」が移動手段としてよく使われますが、ドイツの町並みではこの移動方法が有効であることが分かります。
さて、進撃の巨人の魅力の一つは「絶望感」だと思うんですが、50m級巨人の蹴り飛ばした入り口ってどんなもんなんでしょう。
日本の場合、城は武士のみを守るものです。
それに対して中国や欧州では街全体を囲う城壁を作ることが良くあります。
ではその入り口はどんなものか。
街には古い城壁が2つ残っています。(1つは修復中)
城壁
その高さは25mほどでしょうか。
「進撃の巨人」の城壁は50m級巨人が頭を出した、ということは40m程度。
かなりの迫力ですね。
で、その厚さはこんな感じ。
壁の厚みは10m以上はあります
高さが倍なら、厚みは倍では済まないのではないでしょうか。
これをぶち抜かれて次々巨人がやってくる。
確かに絶望的な気分になります。
つぅかエレンの持ってた岩一つで塞げた方が意外ですが。
「進撃の巨人」はドイツでも結構人気だそうですが、その理由にこうした城壁のイメージが付きやすかったんじゃないかなと思います。
この辺の道なら5m級巨人を誘い込めば倒せるだろうけど、7m級が来ると逆にやられるよなとか。
5m級巨人を倒すのに良さそうな道
あらためて「進撃の巨人」を見てみよう
ということで、ドイツの町並みを見た上で「進撃の巨人」を見てみると、その移動手段の描写に納得感がより出るんじゃないかと思います。
ではその原作の描写がどうなっているか、4巻から抜粋してみます。
カケラもドイツの町並みじゃねぇ!
オレの考察は何だったんだ!
諫山創先生ぇえええええ~~!!!
なんでドイツで人気があるんだ?
ツッコめよ!ドイツ人!