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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

中から見た公職選挙法と「センシャ」

思ったこと

衆院選を控え、俄然人気急上昇なのは公職選挙法対策ページ」じゃないだろうか。
サンフランシスコでは、「下着で洗車してはいけない」という法律があるらしいが、
公職選挙法だってかなり妙な法律だ。

内側から見た「公職選挙法こわい」

友人が政治家を目指した話を前回書いたが、
・リンク → 並河健は政治家を目指す - わかりやすさを、コーディネート
公職選挙法では、公示日から投票日の前日までしか「選挙活動」をしてはならない。
知ってました?(有名な話らしいけど)
これ以外の期間で行って良いのは「政治活動」だけ。
簡単に言うと公示日までは「選挙に出ます」とか「投票してください」と言ってはいけない。
事務所の名前も「選挙事務所」ではなく「後援会事務所」だし、
名前を大書した看板に、公示日まで白布がかぶせられているのはこれが理由。
手間と無駄な金がかかることこの上ない。

秋田市議会議員一般選挙 / くーさん


ところが友人が日本維新の会から「奈良二区支部長」として任命されると、
各新聞社・テレビ局から「いつ事務所を開設するんですか!」と一斉に問い合わせが来たとのこと。
実際、選挙に出るなら事務所が必要だが、まだ誰も出馬すると言っていないはずなのに
「事務所開き」を公示の一週間前にはやるのが当たり前、というのもおかしい気がするが、そんなもんらしい。

そういや、この前(11月29日)朝の生駒駅前で「この度、衆院選日本未来の党から立候補します」と
明確に叫んでいた人がいたが、アレはどう考えても100%公職選挙法違反。
あんな認識の人を候補者に立てて大丈夫か?

とにかく、そんな「本音と建て前」が交錯しているのがこの法律の「ザル法」と言われる所以みたい。


ビラにしてもチラシにしても全てがそんな感じで、
比例代表共産党へ」
と選挙の呼びかけを行い、候補者の一覧があるチラシを、公示前に我が家に投函した共産党は、多分アウト。
とにかく、厳しすぎる「べからず」ルールと、曖昧な基準の間でギリギリのチキンレースをするのが
選挙戦の現場だとよく分かった。

公職選挙法の目指したもの

そもそもこの公職選挙法、制定は昭和25年とのこと。
もちろん何度も修正は入っているが、ブログやtwittermixi足あとまで全てNGと判断しうるなど
現代の状況に全く即していないのは明らかで、選挙のたびに話題になるのに、なぜか変わらない。


公職選挙法の基本コンセプトはこんな感じ。

  • 賄賂(接待)の禁止
  • ある候補者への投票の強要の禁止
  • 各候補者から発信される情報量を同じにする

(全部法律読んだわけじゃないし、法律詳しくないので間違ってたらゴメンナサイ)
この「情報量を同じにする」というのが曲者で、
「金の力で宣伝を打って、相手と差を付けることを防ぐ」ということみたい。
男子普通選挙が大正14年、完全普通選挙が昭和20年からだから、
「だれでも立候補・投票できる」ということに主眼を置いたのは時代背景としてもよく分かる。
だが今の目でみれば、その結果が行き過ぎた規制になっている感は否めない。
例えば「『文書図画』の不特定・多数への配布・掲示を禁止」(公職選挙法 第142条)
というのがある。
昔はビラを作って撒くには労力と金が必要だったのかもしれないが、

ガリ版 / khf_fjs

今どき、twitterで呟いても不特定多数へ伝わる。だがこのルールではそれも禁止されてしまう。
この辺、情報革命で安く・簡単に情報発信できるようになった現代に即していない。
まぁ、悪法も法ですから、従いますけどね。

「戸別訪問の禁止」は一件づつ訪問すれば断りにくいから、「強要」にあたるのかと思ったが違うのかな。
でも、それならなぜ「電話はどれだけやってもOK」なんだろう。
電話はOKなのに、文書の配布になるメルマガはNGとか意味が分からん。
結構そんな感じで、大きなコンセプトは分からんでも無いが、個別の部分では言ってることの整合性が無かったりする。

街宣活動は公職選挙法の歪み

個人的には選挙は政治の話なんだから、ネットでもテレビでもバンバン討論して
みんなが判断すれば良いと思うんだが、そういった場は極端に規制されている。
その意味で、今回ネット媒体で討論の場が設けられたのは非常に良いと思う。
・リンク → 衆議院議員総選挙2012(衆議院議員総選挙2012) - ニコニコチャンネル:社会・言論
・リンク → Ustream.tv:第46回衆議院議員選挙 奈良県2区 公開討論会
「ネットを見ない人・繋げない人はどうなるんだ」という意見に対しては、
それを見なくても様々な媒体があるわけだし、あくまで選択肢の一つを追加すると考えれば良いと思う。
別にそれを見なくても判断材料はある。
今の規制は「みんなの情報量を絞り、同じ情報量を与える」だが、それではみんな最低量の情報量しか得られない。
「運動会の徒競走で、みんなで手を繋いでゴール」という状態だ。

運動会 / mxmstryo

みんなベストではなく、みんなワースト。
そうではなくて、情報をもっとオープンにして、情報を得たい人はどんどん得られる環境を作れば良いと思う。


中から見たらどうか。
現状の仕組みでは情報を伝える手段が極端に少ない。
ビラは検討項目がバラバラで比較が難しいし、戸別訪問・ビラの配布・看板など禁止項目が多い。
有権者も、よく見る人は「あの人頑張ってるわね」ぐらいしか判断基準が無い。
その結果、結局「よく見る人にでも投票するか」という人が出てくる。
街宣車で名前を連呼するのは大嫌いだし、アレに意味があるのかと思っていたが、
法のおかしな点が、おかしな形で噴出したのがあの車だと分かった。
本来なら政策論争を闘わせて投票先を選択するべきが、実際には
体力勝負で連呼し続ける、手を振り続ける、握手し続ける人が「選挙に強い政治家」になる。
そうして選挙期間中は、立候補者は街宣に忙殺される。それでいいのか?と思うが、
変えなければいけないのはルールの方だな。
あと、街宣車は通称「宣車(せんしゃ)」というらしい。なんだ、カッコいいぞ!

手作り政治活動

アメリカでは「寄付をいくら集められたか」「集めたお金でどれだけCMや電話作戦を打てるか」が
選挙戦の焦点になるぐらいだが、その結果大統領でも金のある業界団体(ライフル協会とか)に
首根っこを捕まれてしまう。

Barack Obama Rally in Grant Park November 4, 2008 / Wendy Piersall

その意味で「金の力で物を言わせないように」というコンセプト自体は良いと思う。
実際に友人のような一介のサラリーマンが日本維新の会の支部長になり、
奈良二区という地区を任せてもらえるのもこの法律によるところが大きい。
(でもそれなりにお金は要る。やっぱり色々大変みたい)
コンセプトは良くても、実際のルールはかなり変えないとな、というのが実感。


友人に関して言うと、徐々に人脈を作り、(人的な)支援を取り付けているが
ビックリするぐらいの「手作り」の活動なのは確かだ。
正直、最小構成ならこれで活動できるのか!と驚かされた。
事務所の机と椅子はIKEAで急いで買い集めてきて、雰囲気は本人曰く「カフェのよう」。
また小さな子供連れが多いので育児スペースも設けた。
自分たちにとっては「子供がいるから当たり前じゃない?」という認識だったが、
こういった事務所が外からの目隠しも無く、育児スペースまであるのはかなり珍しいらしい。
←実際の事務所内の写真
まぁそれでも、とにかく人手が必要なのは確かなので、何もかも足りていない。
新聞・テレビのメディア対応も全て本人がやっていたそうだが、これだって普通はあり得ないらしい。
まぁ、奇をてらうつもりではなく、止むに已まれぬ所からのオリジナル手作り活動ですよ。
どのぐらい最小構成かというと、「なんとか責任者」に書く名前がない。(本人や家族ではダメな物も多い)
人望はあるんだけどねぇ、みんな仕事があったり、遠くに住んでいるので。
ということで協力者は大募集。今ならあなたも責任者?(←違う)
色んな意味で、目が離せないのは確かではある。
・リンク → なみかわ健(並河健) オフィシャルサイト