ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

まとめが編集者を殺した。ものづくりはどうする?

NAVERまとめが、最近元気らしい。

いろいろ批判もあるみたいだが、とにかくたくさんのPVを稼いでいるのは確か。
こんな記事も話題になっていた。
・リンク → 今ならブログを立ち上げるより、NAVERまとめで発信した方がいいかも | ihayato.news


「PVを稼ぐことが目的なのか」とか言われそうだけど、やっぱりPVは今でもそのページを評価する一番基本的な指標だと思う。
もちろんそのPVがどんなものかという「質」は前提だが。
ネットの世界では、PVが力であり、それはイコール影響力であり、収益力に繋がる。
実際に2chまとめやNAVERまとめが批判されるのも、それだけPVを集めているからで、
同じことをフォロワー10人のtwitterアカウントで何百人が呟いていようが誰も気にしないだろう。

※ちなみにこれは自分のtwitterアカウント。「オレの戦闘力は147」と言い換えてもよろしい、のだろうか。

一人で会社と戦える、まとめ

まとめを作っている人は、雑誌や新聞でいうと編集者に近いんだろうか。

Editor / San Jos〓 Library

してみると自分のようなブロガーは記者か。
今更の話だが、ネットは今まで会社にいなければできなかったようなことを個人で出来るようになった。
2chのような匿名掲示板の内容をまとめて収益化するやり方は、
独自性がない」
「作者でない人間が収益を得るのはおかしい」
「編集側の偏向が可能」
などの批判を受けることもあるが、以前ならそもそも情報を集めて公開するスキルを収益化すること自体、
新聞社・雑誌社に就職しなければ難しかったんじゃないか。
そして、上の批判はこれらの会社における編集者とどう違うんだろうか。

※ちなみに報道の偏向については、Google先生はこう仰ってます。
個人的には、2chまとめサイトはよく見ているし、その編集能力は十分に収益を得て然るべき物だと思う。
問題にされるべきは、まとめられる側、つまり2chの投稿者たちがまとめられて良いと考えているか、その一点だと思うんだけど。


ネット以前なら必須だった作家を集めること、印刷物の形にまで作ること、流通に乗せることが
ネットの時代には不要になったり、簡単にできあがった基盤に無料で、あるいは非常に安価に乗れるようになった。
それはブログサービスであったり、HP作成サイトであったり、ドメインサービスであったり。


新聞社は新聞社で無くては困るが、個人が運営するまとめサイトやブログサイトだって、
信用度は無いにしても面白ければ読んでくれる。
実際、はっきり言って何の役にも立たない虚構新聞は、一日10万PVをたたき出している。
(批判もあるけど、個人的には大好きです。友の会に入ろうか検討中)
・リンク → Kyoko Shimbun News(虚構新聞社)

要は、見る人の琴線にさえ触れれば、誰でも情報を発信して、収益も得られる時代になったと言うこと。
それはネットが会社に属していた編集者や記者の特権を壊した、と言い換えて良いんだと思う。

ものづくりはネットほど簡単じゃない

物を作るのは日曜大工レベルなら簡単だが、素人レベルで売れるような物を作るのは難しい。
編集者や記者の仕事に対して起こっているようなことは、ものづくりに対しても起こるんだろうか。
例えば以前なら、設計図を引けてもそれを作るには専門の業者に頼むか、自分で作らなければいけなかった。
専門業者で個人の相手をしてくれる所なんて普通無いから、そこに一つ大きなハードルがある。

個人でも、ものづくりが出来る時代?

でもこんな業界にも、個人で作れるための環境は徐々に出来つつある。
たとえばローランドディージーの発売した「imodela」
元々ローランドディージーは業務用にこういった切削試作装置を販売していたが、
それを個人でも買えるぐらいまで簡素化・低価格化した。
・リンク → 無限の想像力をカタチにiModela iM-01 /ニュースリリース/ローランドdg

個人用なので能力的にはたいしたことはないが、それでも設計・デザインが出来ればガレージキットの部品ぐらいは作れる。
今までは「設計が出来る」かつ「手先が器用で作れる」の二つの能力が必要だったところが、一つだけで済むようになった。
これは大きな進化だと思う。


ではもっと本格的に作るにはどうしたらよいか?
高価な装置を持って受託製造する会社は、企業相手にはあるが、こういった会社もそのうち個人向けにやってくれるようになるかもしれない。
実際にそういった試みは始まっている。
カフェの中に加工装置を置いた「fabcafe」なるものが渋谷にオープンしている。
・リンク → FabCafe | What do you Fab? あなたは何をファブしますか?

渋谷という立地もあり、異常にオシャレだが、こういう施設がもっと増えて、当たり前になればものづくりももっと加速すると思う。
ちなみに東大と企業が連携して、「若者にものづくり体験を」という施設が東大近くにオープンしている。
こちらは事前の登録などが必要みたいだが、基本無料。
・リンク → MONO-LAB-JAPAN プロジェクト:ものラボJAPAN


今はまだどちらも収益性を考えている物には見えないが、ここがスタートになって
「考えた物を気軽に形にして、気に入られたら収益が入る」みたいな時代が来ると面白い。
もちろん、当初色んな会社が反発するだろうが、そのうち在野の優秀なデザイナーが出現すれば
企業が積極的に声をかけていく時代にもなるだろう。
その辺のストーリーを妄想するのも、楽しいかも。
ビジネスってのは、そういう妄想から始まると思うのですよ。


「ネットで何万人試聴しているってのを、リアルで場所借りてやったら、インパクトあるし面白そうじゃない?」
そんな言葉を形にしたのが、幕張メッセを借り切って行われたニコニコ超会議
・リンク →  ニコニコ超会議 公式サイト

ものづくりでも、こんな妄想が形になったら楽しいだろうな。
まぁ、言い換えればコピー商品やノンライセンス商品が勝手に作れるわけで、その辺はこれからだろうけど。