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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

トレンドが変わるには十年かかる

思ったこと

大阪の日本橋は、東京の秋葉原と比較されることの多い電気→オタクの中心街。
久しぶりに歩いた日本橋では、トレンドを色んなフェーズ(段階)を見ることができた。

成功したもの:食品サンプル

日本橋には道具屋筋という、元々は業者向けの道具を専門に扱う通りがある。

・リンク → 千日前道具屋筋商店街公式サイト
扱う物は主に食べ物屋さん向けのありとあらゆる物で、
伝票からレジスター、調理道具、看板、ノボリから制服とこの通りの売り物だけで
お店を開けると言われている。


場所は吉本の劇場前と立地が非常に良いし、
「大売り出し」「カレー」「うどん」
と書いた看板が乱立する様はそれだけでもシュールだし、
元々業者向けと言うこともあり安価なので、
「見ているだけで面白い」のだが、以前は本当に業者向けだった。
まず十数年前は、お店が土日に閉まっていた気がする。
これは飲食店は土日は必ず営業するので、プロは土日には買いに来ないから。
それが今回、祝日に行ってもほとんどのお店が開いている。


そして、食品サンプルのストラップを自作できるお店が二店もあった。

食品サンプル / くーさん

自作体験なんて完全に個人向けのお店で、しかも同じターゲットのお店が二店もある。
これは結構時代を感じる。
十数年前、食品サンプルは完全に店舗向けで、物珍しさに見ていると
「触ると壊れるから出て行け」と露骨に嫌な顔をされた。
当時はストラップの市場もまだ黎明期。
それが軍艦巻きの食品サンプル一つから、安価に買えるようになった。
チェーン店が増えて個人商店が減っている等、本来の客層が減っている要因があるかもしれない。
それでも、折角の立地と集客力を生かして、道具屋筋が変わりつつあるのを感じた。
そして、その常識が変わるのには十年がかかったことも、一つの区切りとして考えられる物があった。

奮闘中の物:コスプレとオタロード

その日は日本橋のコスプレイベント中。
日本橋の目抜き通りを歩行者天国にし、コスプレをした人達が闊歩するイベント、
らしいんだが普段着の人とコスプレをした人(コスプレイヤー)を分ける構造になっていない上、
着替える場所が少し離れたところにあるみたいで、
普段着の人とコスプレイヤーがあふれかえっていて、かなりカオス

Vocaloid big group cosplay / nayukim

※写真は紹介しているイベントのものではありません


しかし、自分の近くにコスプレをした人達が普通に歩いていて、
そこかしこで記念に写真撮影をしているとなんとなくコスプレが身近に感じるみたい。
場所が場所な上、イベントを知って来ている人が多いとこともあるだろうが、
コスプレという文化の裾野を広げて、根付かせようとしているのなら
このイベントはなかなか良いスタンスじゃないのかなと感じた。
ちなみに写真をまとめているサイトがあったので、興味ある方はどうぞ。
・リンク → アンパンマンのコスプレ集団がガチでヤバすぎる件 【日本橋ストフェス】:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)

本筋とは関係ない話。
秋葉原と同じく、日本橋も電気の町からオタクの町に変貌している。
日本橋の場合は、目抜き通りの一本裏にオタク向けのお店が集中的に出たため、
その通りがオタロードなどと呼ばれている。
秋葉原もそうかもしれないが、特定の通りにだけお店が集中し、
一本裏や横道に入ると急に人がいなくなるアンバランスが大きい。
なんというか、この人混みの不便さが逆に町の魅力を作っているのかもしれないが、
もう少し町を広く使って、人を分散できるようにすればもっと発展するのにな、と来る度に思う。

二つの産業のフェーズの違い

二つの産業を取り上げたが、
コスプレ人口は増えているらしいので、これは成長産業
これから偏見を持っている多くの人に対する意識改革が必要な段階だろう。
食品サンプルは意識改革がやっと済んで刈り込みの段階、つまり成熟産業
市場自体はそれほど大きくないが、良いコンテンツがあればきちんと収益を上げられる。
二つの産業を見て感じたのは、意識を変えるのにはやはり十年はかかるのかな、ということ。
してみると、コスプレ業界はあと五年・十年もすればかなり大きな産業に発展する気がする。


コスプレ自体はそりゃ昔からあるんだろうが、独立したカテゴリとして取り上げられて、
国や自治体が「これが日本の文化だ」とか持ち上げ始めて、
世界で大会が行われてその総本山が日本、ということになって、
とにかく裾野を広げようという動きがようやく繋がっている感じがする。
ここを牛耳ることができれば面白い事業になるんだろうが、
こういうオタクマーケットは上から支配されるのを嫌うから、難しいんだろうなぁ。

衰退産業:スケート

で、そもそも何故日本橋にいたのかというと、
府立体育館で開催中の大相撲大阪場所を見に行った、わけではなく
その裏の「浪速スポーツセンターアイススケート場」に4歳になる娘を連れて行ったため。

ALG_0692 / nikontino

※写真はイメージです
娘はスケート初体験で、当然滑れるわけもなく不機嫌になっていたが、
面白かったのは恐らく定年後であろうというおじさん(おじいさん?)スケーターが
結構な数いらっしゃったこと。
またみんな上手いんだ、これが。


彼らはつーっ、と氷上を滑走し、滑るのになれていない若い女の子に
靴の履き方から姿勢から滑り方まで、懇切丁寧に指導する。
ボランティア、とか大層なモンじゃなく、趣味ですね、あれは。


いい年こいて若い娘に・・・
とか言いたい訳じゃなく、女の子もきちんと教えてくれて上手くなるならWin-Winだと思う。
もちろんうちの娘が上手く滑れずに怒っているのに何かアドバイスもらえれば・・・
と思わないでもないが、それは向こうも善意でやっていることなので、こちらが言う事じゃないだろう。
実際、教え方が上手いのか、端から見ていても本当に上手になっているのが凄い。
オレもへっぴり腰なので教えて欲しいです、先生。

高齢者の「遊び」口

アイススケートという一つの競技に限った話ではなく、
高齢化社会でリタイヤした人たちが何をするかは良く話題になる。
その中の数人でも、特技を生かして一日滑って指導をするというのはなかなか良い趣味だなと思う。
体力の続く範囲で、一日800円(65歳以上の場合、回数券ならもっと安い)で遊べるなら安い趣味だし、
運動する上、人と話したり交流するのは健康を保つのにも呆け防止にも良い。
「働き口」ではなく「遊び口」として良い、という感じだろうか。


彼らはどちらかというと趣味を外に発散させて成功している部類だと思うが、
一人で作業していたり、趣味や特技があっても上手く発信できていない人たちも多いと思う。
そういう人たちを上手く外に向けて、繋げる事業というのは誰かが手助けする価値がある事だと思う。
病院をサロンにして高い医療費を国民につけるよりは、色んな趣味を生かせる場所を探して、
安いお金で遊べるようにしてあげればいいんじゃなかろうか。
今、安くて長い時間遊べる場所として、高齢者がメダルゲームをやることが増えているらしい。

ゲームセンター / sabamiso

それならゲームセンターがSNSで繋がるメダルゲームをやっても良いけど、
それより新しい形の将棋センターや碁会所を作れないものか。
みんなで集まって遊ぶ価値があり、高齢者でも強いもの。
実際にネットのSNS性を持たせた麻雀サイトは成功している。
儲からない事業だが、実際スポーツ施設の使用料にはほとんど高齢者割引があり、行政の割引補填も行われている。
医療費を削減するため、という後ろ向きな話じゃなく、
元気な高齢者が増えると何か楽しいじゃないですか。