ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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ぼくのゆめはだいくさんになることです

子供の保育園の「せいかつがくしゅうはっぴょうかい」があった。
なんでこのクソ寒い時期に行うのかと思ったら、3月の卒園の前の
「最後の発表会」として、卒園式の役目も兼ねているらしい。
(式は式でやるんだろうけど、小さい子だから堅苦しい物はあまりできないので)


自分の子供がよく頑張っててさぁ、という親バカは置いておいて、
卒園する5歳児の集大成という意味合いが強いので、5歳の組の演目が多い。
で、最後にはその5歳児が歌を歌って、一人一人が「ぼくの(わたしの)夢」を話す。

ぼくの夢、わたしの夢

一人一人が名前と、自分の夢を話す。
と言っても5歳なので、
「モデルになって、きれいな服が着たい」
「野球選手になって、たくさんヒットを打ちたい」
「警察官になって、悪い人を捕まえたい」
「パン屋さんになって、おいしいパンを作りたい」
と10年、20年前から変わらない夢が多かったんだが、
最後の男の子の夢を聞いて、思わず涙ぐんでしまった。
「ぼくは、だいくさんになって、たおれたいえを、たててあげたいです」


まさか言わされたんじゃないだろう。
この男の子を最後に持ってきたのは、園の先生方だとしても、
「たおれたいえ」と言う限りは、震災が彼の心に「なんとかしたい」という思いを植え付けたのは間違いないのだろう。

南相馬で震災ボランティア Volunteer at Minamisoma city, Fukushima pref. Seriously affected by the Tsunami of Japan Earthquake and Fukushima Daiichi nuclear plant accident / jetalone


見ると、周りのおじいちゃん、お母さん方も泣いている方が結構いらっしゃった。
文字で書くとシンプルだけど、あの場の雰囲気で、
それを言われることの衝撃というのは、なかなかの物があった。

震災からの、希望

パンドラが開いた箱からはこの世のありとあらゆる災厄が飛び出し、
最後に残った箱からは、希望が飛び出したという。
なんだか、唐突だけどその話を思い出した。

Pandora's Box / Mycael


震災は大変だったし、未だその復興は継続中だけど、
こんな小さな子供の中に「なんとかしたい」という思いが芽生えている。
それって、何よりもの希望なんじゃないかな。
そしてその思いは、彼が10年、20年経って本当に家を建てる手伝いが出来るようになる前に、
あの場にいた大人達に「なんとかせにゃいかんよなぁ」と思わせたんじゃないか。

子育ての意義、少子化の問題

子育ては大変で、経済的に言えば子供の時分にはメリットなんて無い。

Nurture / MaverickMaven

でも、子供がいる家庭、子供がいる社会というのは大切だと思う。
今回の話も、大人が大声で「復興支援を」と何度言うより、この5歳児の夢の方が、ズシンと心に響いた。


結論をここに持ってくるのは乱暴かもしれないけど、
少子化対策というのは、本質的な意味での「国力」という意味で凄く大事だと思う。
それは20年後の労働力という意味だけではなく、5年後の自分たちのやる気についてもそうなんじゃないか。
ビジネスの現場にいる、趣味にどっぷりの生活をしている、悠々自適に生活しているなかで、
ふと当たり前の事を言ってくれる。
そんな子供目線の指摘って、大切なんじゃないかな。


「王様は裸だ!」
と言えたのは、行列を見ていた子供だった。
はだかの王さま
原子力委員会が、東電が、オリンパスが、民主党が、と小難しい話の根底は、
「なんでそんな当たり前の事が出来ていないの?」
というシンプルな話があることも多い気がする。
細かいことは置いておいて、本気の子育て支援少子化対策をやらないと、
景気が多少良くなっても、この国の活気は今後落ちて行かざるを得ないんだろうなと、おぼろげながら心配になる。