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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」の個人ブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

無理しない会社

ビジネス案

東京の街中や、大型ショッピングセンターでは、全ての店の配置に必然性がある。
なぜこの位置にこの店があるのかについて、大体がきちんと説明できるし、
「あれ?」と思うお店は三ヶ月もすれば別のお店に入れ替わっている。
本当、大したモンだと思う。

Odaiba - Palette Town Sunwalk / St〓fan


それが大阪では、結構おしゃれな街の真ん中に古き良き仏壇屋が陣取っていたり、
材木問屋の真ん中におしゃれな服がぽつんと売られていたりする。
大阪から西、兵庫に向かうと、同じような状況が続くが、
東に行って奈良に行くとまた変化が出てくる。

生駒という町

大阪と奈良の県境、奈良県生駒市は電車なら大阪ミナミ(難波)から20分強、東京−横浜間ぐらい。
ど田舎というほどでもないし、車でちょっと大阪から行ける距離なので大阪からの客も狙える。
こんな街(町?山?)では、ちょっと都会では想像もできない店舗形態が出てくる。

ちょっと変わったお店

例えば「開店は毎月1日〜15日」という雑貨屋がある。
「毎週何曜日開催の市場」ならまぁ珍しくもないが、生鮮を扱うのでも、市場でもなく、
雑貨屋で月の半分しか開いていないお店はさすがに珍しいんじゃないか?
(ちなみに高級品とかじゃなく、本当に普通の雑貨屋です)


また、「冬の間は休業します」という店もある。
これは山間のお店で、冬期は路面凍結で事故の危険があるためらしいが
それで成り立つのはまぁ、物価の安い田舎ならではだろう。

Snow road 3 / leppre

(写真はイメージです。奈良じゃ滅多に雪は積もりません)

成長しない、というビジネススタイル

競争激しいビジネスの現場にいると「企業にとって成長は必須である」と思うし、
上場企業は成長を求められるし、経済学でもそう教えられる。
でも、「企業を永続させる」という観点で見ると、成長には限界が来るし
いかに業態や商品を上手いことやりくりして安定飛行するかという観点も大事。


世界最古の会社と言われる金剛組の成立は西暦578年と言われる。

仮に、1%どころか0.1%でも成長を続けていれば、この会社は世界に名だたる大企業になっている計算になる。
社寺建築は「建てる」ことも大事だが、その維持も重要。
そう考えると、この会社にとっては下手な成長よりは永続がより重要であることは間違いないだろう。
企業の主軸を「安定性」に置く生き方もアリなのかな、とこういう妙な店を見ていると考えさせられる。

比叡山延暦寺 - Enryaku-ji // 2010.08.07 - 230 / Tamago Moffle

成長しない、経済学

最近読んだ本で、そういった「売り上げ・利益第一主義じゃなくてもいいじゃないか」という本があった。

自分らしく稼ぐ。

自分らしく稼ぐ。

「これもひとつのビジネスの見方、ひとつの世界観」(本書、p8)
であり、「儲かるから、儲けるために、儲かるビジネスをやる」(p4)以外の「道」
あってもいいんじゃないか、という提案。


マーケティングの本として捉えると、内容はいわゆるAIDMAの法則」や顧客の「ファン化」で、
個々の戦術面についても目新しさはない。
ただこの本の主眼は小手先の戦術面ではなく、「ビジネススタイル」(第3章)と言っている基本的な考え方。
つまり会社としてのコンセプト部分
自分が顧客に対して良いと思っている物を提案し、それに納得し、付いてくるお客様をファンとして大事にし、
適正な利益を貰っていけばいいんじゃないですか?という話。
戦術は真似が出来るが、コンセプトは見えないので真似が出来ない。
この「コンセプト」を徹底できれば楽しく仕事を出来るんじゃないですか、という提案をしている。
要はヴィレッジヴァンガードを目指せと。

Village/Vanguard / Pengdo-oing


ヴィレッジヴァンガードのように「本屋」という枠組みに捕らわれず、良いと思う物を提供していけば良い。
言うのは簡単だが、きちんと軸がないと「ラーメン屋ですがカレーもアイスも置いてます」みたいな
よく分からない状況になる。
この二者の違いは何か、を伝える本と言ったらいいのかな。
ただ、筆者も言うように、これが唯一の正解ではない
「こういう考え方もある」ということ。
そしてその考え方はむしろ日本的で、そんな会社がもっとあっても良いのでは、というのが本書の趣旨。


そういえば自分が初めて行ったヴィレッジヴァンガードは、今は無きプランタンなんば店。

「本屋」というより「本屋?」という感じで、
雑貨陳列の多さと、マンガのPOPのセンスに大学生時分に衝撃を受けた記憶がある。
(ちなみに会社コンセプトは「遊べる本屋」
確かに、「この本をピックアップしているなら、このおすすめしている本は面白いだろう」
と思えることがヴィレッジヴァンガードの魅力だよなぁ。
それが他のジャンルでもできるだろうと。
本屋で石けんやフィギュアやCDを売って良いように、
良いと思えば米屋で服を売っても良いし、墓石屋で花を売っても良いだろう、という話。
(変な米屋、の話は作中でもなんども出てくる)

生駒の変わったお店

そのコンセプトを実現できているのかの評価は避けるが、面白いお店として
例えばこんなお店があるというご紹介。
お店からお金を貰っているわけでもないし、実際人が殺到したら捌けるような店でもなさそう。
というわけで「行くなよ、絶対行くなよ」と言っておきます。ダチョウ倶楽部風に。


日本最古のケーブルカー と 子供達の夢 を悪魔合体したことで有名な
生駒のケーブルカーを登った「宝山寺」駅から徒歩一分。

(本当にこれが走ります。しかも平日は通勤・通学用として
宝山寺参道には無料駐車場もあるので、そこからでも歩いて一分ぐらい。
旅館を改装したレゲエ調雑貨屋兼カフェレストラン、「ナイヤビンギ」。
転載許諾写真がなかったので、外観は食べログをご覧下さい。
・リンク → 外観写真 : ナイヤビンギ −食べログ


旅館を居抜きしたカフェレストラン、というだけで「なんだそりゃ?」なんだが、
古き門前町のこの辺の旅館は、一度廃業すると旅館として再開できないらしい。
なにやら消防法の関係で、石段のところまで消防車が入れないからとかなんとか。
(この辺、店員のお兄さん曰く)
そこで一階を雑貨屋、二階をカフェレストランとして改装(といっても多少の装飾したぐらい)。
元が旅館なので、その個室で食事をするという何とも贅沢な仕様。
(一人で行っても個室でこたつ、らしい)
食事が出てくるのもゆっくりだし、デザートの後は「ゆっくり休んでいって下さいね」とまで言われる。
昼食で一時間はかかっていたと思うので、休日でも多分一回転しかしていないと思う。


いや、本当にこんなのんびりしてて大丈夫か?と思ってしまうが、
のんびりした雰囲気を楽しむ場、としては最高の場所。
レストランだが、行く気があるなら予約していった方が良いです。
別に混むわけじゃなく、料理する側のキャパの心配と、予約ついでに場所を確認した方が良い。
昼食で一人1,800円。(実際の価格は確認して下さい)
安くはないし、昼食メニューは一つで選択肢もない。
でもまぁ、散歩ついでにのんびり出来るのなら、十分アリかなと。
半分は観光代という感じ。子供も大喜びだったし。
・・・と書いていて思った。オレは店の紹介しちゃダメだ。才能がなさ過ぎる・・・


そんなケーブルカーの頂上にある生駒山上遊園地は、冬期休業。

ここは山の上の斜面にあるので、冬期は凍結して本当に危険なんだが、
年に何ヶ月も休園している遊園地が、周囲の遊園地が廃業する中で生き残っているのもなかなかに凄いと思う。
まぁ、ここは大分頑張っている場所ではあるんだけど。


とにかく、賃料が高くて全てを最適化しなければいけなかったり、
ひたすら拡大を求めなければ存続価値がないと、いう以外の生き方もあるよね、と思った話でした。
もちろんみんながそれに右へ倣えすると色々破綻するけどね!
加減って難しい。
なんか今日はオチのない話になってしまったなぁ。