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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

どうして「ソーシャルゲームなんかゲームじゃない」のか?

わかりやすさ

GREEモバゲーDeNA)の話を取り上げると、賛否いろんな声が飛んでくる。
というか圧倒的に批判が多い。
なぜそこまで人々の反感を抱かせるのか。


二社の事業モデルは、無料のソフト(主にゲーム)。
ゲーム自体は無料で、ゲーム内のアイテム購入等への課金で成り立っている。
キャッチは「基本無料」だが、このモデル自体は新しくない。
無料でサンプルを配るのは化粧品などでも良くやられる手法だし、
ハードルを下げるために「無料で商品を置いていきます。使ったら代金を貰います」
という仕組みは富山の薬売りが成功した「先用後利」商法。

iphone_0095 / aoix

既に300年の歴史がある。


また後から追加料金、という方法はゲームでも追加ディスク販売や、アイテムダウンロードがあるし、
基本無料で遊ぶシステムはガンホーなど韓国系ネットゲームが成功したやり方。

E3 2010 Dungeon Fighter Online at the Nexon booth / PopCultureGeek.com

ゲーム以外ならアメブロなどのアバター関連のアイテムや、
DropboxSkypeなどのネットサービスも基本無料で使用可能になっている。
むしろ「基本無料」はネットでは珍しくない、当たり前の方法とも言える。

ではなぜ叩かれるのか?

一つ一つは珍しくない手法なのに、なぜソーシャルゲーム、とくにGREE・モバゲーだけ
大きな利益を上げて、叩かれるのか。


ソーシャルゲームだってゲームなんだから、強さなどの価値基準がある。
その基準はRPGでは主人公の強さであり、ストーリーの進み具合であり、アイテムの収集数だったりする。

Legend of Zelda screenshot / geraldford

パズルゲームではステージや難易度、得点。
対戦格闘では拳を突き合わせた強さそのもの。
ソーシャルゲームには詳しくないが、レベルやアイテムの数・価値が基準になっているものが多い模様。

ゲームの中の「価値基準」

個人的にはこの「価値基準」が徹底的に他と違い、叩かれる部分だと思う。
例えば格闘ゲームにおける強さは、プレーヤーの練習量と知識による「腕」に100%依存する。

World's strongest fighter ! / Gunter Panzerfaust

ぷよぷよ等の対戦パズルも同じ。
ぷよぷよ!!ぷよぷよ!!
日本のRPGMMORPGは、「ゲーム時間」が重要だが、それでもプレーヤーの力量や戦略は重要なファクターになる。
では今話題のソーシャルゲームはどうか。
ここでは「時間」「お金」が重要なファクターになる。
もちろん月間1万円投じているユーザーでも、操作が下手で強くなれない人がいるかもしれないが、
無料や、1000円しか使っていないユーザーが10万円使ったユーザーに追いつくのはまず不可能。
人気のソーシャルゲームでは多くの場合、一回のプレイ時間に制限があり、
一度戦闘などのアクションを行うと、次のアクションまでに時間が必要な上、
お金をかけないとアイテムの生成や取得の確率がガクンと下がる。
結果として、アイテムの取得やレベルアップにかかる時間は、かけたお金で大きく差が出る

English money / Images_of_Money

ソーシャルゲーム肯定派は「その分時間をかけて追いつくことも可能」と言うかもしれないが、
要はその差が本当に現実的に追いつけるレベルなのか、という話だと思う。

「逆」のビジネスモデルを考える

この推論では一方的なので、アイテム課金を収入源としつつそこまで責められないジャンルと比較する。
例えばカードゲーム

[25/365]YuGiOh / GavinLi

カードゲームのビジネスモデルは、ソーシャルゲームよりさらにアコギにみえる。
何せ「基本料」で、最低限のデッキを構築しないと遊んでみることすらできない上、
追加で何か揃えようとすると、すべて追加料金になる。
これは遊戯王でも、ゲームセンターのカードゲームでも、ムシキングでも同じ。

Love & Berry / Adrian Purser

遊戯王に至っては「世界で一番売れているカードゲーム」としてギネスに認定されている。
その数250億枚以上!、ということは1枚30円で計算しても7500億円!?
とんでもないな。


ではなぜ遊戯王は責められないのか?
それは遊戯王お金をつぎ込んでも、勝てないから
カードゲームで重要なのはカード一枚一枚の強さでは無く、戦略と戦術

yugioh lessons / woodleywonderworks

良くできたカードゲームほど、下手に強いカードを入れるとその制限のために上手く使えなくなる。
「重いカード」と言われたりする)
金をかけた人間が偉いのでは無く、優れたデッキを構築して、それを使いこなせる人間が尊敬される。
もちろんそのためにそれなりの投資が必要な場合も多いが、それも自分の資金なりのデッキ構築を目指せば良い。


またカードゲームはゲーム以外にも「コレクション」という方向性もある。
収集はそのレア度に応じて価格が変動するのが当たり前だし、むしろ変動するからこそ収集欲をそそる。
カードゲームが流行っているのは、この二つの方向性を両方満たし、結果的に参加人口の裾野を広げられた面はあると思う。
もちろん現状はあまりに安易に新しいカードゲームを作りすぎだとは思うが・・・

やっぱりソーシャルゲームは「あんなのゲームじゃない」。

ゲームの進化の方向性には多様性があってしかるべきで、
単純に「たくさんクリックすると良いゲーム」があっても別に構わない。
実際、サウンドノベルや最近のエロゲーはクリックして文章を進めるだけという意味ではこのジャンルに近い。
弟切草 蘇生編真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト) 特典 プレミアムファンディスク付きSpike The Best 428 ~封鎖された渋谷で~
(否定はしてないです。弟切草かまいたちも大好きだし、428はやってないけど、前作の「街」は大好きだったし。)
だが、クリックとかけたお金で単純にゲーム内のステータスが決まるような仕組みは、もはやゲームですらない
その意味では、細い通信帯域とハードの制約を言い訳に、シンプルな仕組みを取り込んでいる
ソーシャルゲームの未来は暗い。


ということで、結論。
ゲーム好きの言うソーシャルゲームに対する意見、「あんなのゲームじゃ無い」は正しい。
特に金をかければ進める仕組みが、シングルプレイでなく、他の人との
比較(対戦)や協力で進めるゲームシステムにおいて採用されているのが問題。
「他の人と話を合わせるために」課金する仕組みは、ゲームというよりネズミ講マルチ商法に近い
そりゃ儲かるし、その分反感を買うわけだ。
これは他の人との関係性を気にする日本で、特異的に成功した事とも符合する。
(海外にもソーシャルゲームはあるが日本ほど収益を上げられていない)
この戦略が海外で成功するのかは要注目。個人的にはまず成功しないと思う。
自分も嫌いな理由が、考えることでスッキリ筋が通ったんだが、どうだろうか。
「それは違う」というご意見をむしろお願いします。