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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

初めてのスカウター選び 【例示】

わかりやすさ

スカウターとは、ドラゴンボールで使用されていた単眼式HMD(Head Mount Display)のこと。

Anime Expo 2011 - Vegeta from Dragonball Z / PopCultureGeek.com

著作権フリーで「Dragonball」で出てきた画像。誰だおまえ
スカウターみたいなやつ」というだけで商品イメージが浮かぶぐらいイメージも名前も浸透している。
この一点だけでも、鳥山明の構想力はものすごい。

ちなみにネット情報によると英語名もそのまま「Scouter」、ただしメキシコのみ「Tracker」または「Meter」らしい。
・リンク → dragonball.wikia

商品概要;スカウター

スカウターの構造

スカウターは単眼式のHMD
耳から片眼までを覆う構造で、目の部分は半透明のディスプレイになっている。

インターフェース

インターフェースは側面のボタン一つ。
音声通話機能はあるが、音声での操作はできない。

機能
  • 目の前の対象の戦闘力を表示する(調査・解析機能)
  • 近辺の戦闘力のあるものを表示する(検索機能)
  • 一度戦闘力を表示した相手をロックオンして探す
  • 電話(通話機能)

作中で示されている機能はこの四点

シンプルで優れた単機能装置

スカウターが優れているのは「ボタン一つ」のシンプルさと、機能が単純明快なこと。
戦闘民族らしく「戦闘力」という指標に特化し、その数値化しか行わない。


考えれば考えるほど、その製品コンセプトは洗練されている。
まず戦闘中に使うことを前提にしているので、落とさないように身につける物の方が良い。
相手から目を離すのは危険なので、腕時計などではなく、シースルーのHMDが良い。
つまりあの形状には必然性がある。


また機能を特化しているので、操作系もシンプル。
どんな状態でも目を離さないで操作できるように、操作ボタンは一つ。(しかもボタンがでかい)
おそらくシングルクリックと、複数回のクリックで操作している。
(当時長押しの操作系は珍しく、カチカチと複数回押して操作しているシーンがある)

「戦闘力」って何だよ、と思うかもしれないが、スピードやパワー等を総合的に判断していると思われる。
例えば「温暖化」も、色んな指標があるのに「温暖化係数」→「二酸化炭素排出量」という一つの指標で判断している。
メタンでもフロンでも、全部二酸化炭素換算することで同列に扱える。
見知らぬ土地で、とりあえず危険度・征服難易度を測る指標が欲しい彼らにとって、その単純な指標を考えて使うことはごく自然。
この点を見ても、「戦闘力」という指標を持ってきたこと自体先進的だったと言える。

Neutrebbin: Protest gegen das von Vattenfall geplante CO2-Endlager (CCS) / GuenterHH

あの機能だから、あの形状・操作系

つまりスカウター「戦闘中でも戦闘力を確認したい」というニーズに応えるために、あの形状と機能になっている。

Recoome / El Tabernero

その技術の集大成があの形状。
格好を付けた訳でもなんでもなく、機能を追求してあの形状になっている。


戦闘力の計測に特化しているので、他の機能が無い所も素晴らしい。
例えば地図表示や時計、メール(文字通信)など、あれば便利な機能も一切積まれていない。
(あいつら空を飛べるので、地図は要らないというツッコミは置いておいて)
多機能は複雑化を招く。
初代のiPodが歌手と曲名の一覧表示しかできなかったように、機能がシンプルであるほど操作系も単純で済む。


鳥山明という人は、空間把握がとんでもなく優れた人なので、造型にはきちんと理由がある。
(趣味どころかセミプロ並のモデラーだったりする)
その人がああいうメガネ型の装置を考えたと言うことはその形状にもきちんと理由がある。
考えれば考えるほど、その用途に特化した形状がたまたまあの形状だったと思わされる。


では翻ってブラザーの「AirScouter」等のHMDはどうか。

今のHMDにはその必然性が感じられない。
10年前には「狭い場所でも大画面を楽しめるディスプレイ」という用途を提案していたが、
大画面テレビが安くなった今ではそのニーズは大分薄まったと思う。
HMD「何のために」から考える必要がある。
ではマンガではない、実物のHMDをどうしたらいいか、それを考えてみる。


※この記事は、この記事の続きです。
・リンク → AirScouterの理想と現実 【問題提起】
※この記事の続きは、こちらです。
・リンク → ではHMDはどうしたらいいのか 【解決策】