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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

PHSはこう伝えたら良かったのでは?【解決案】

わかりやすさ

・リンク → PHSが失敗したわけ【問題提起】
昨日の上の記事に引き続き、PHSが失敗した理由は、PHSという技術そのものではなく、
「その良さをうまく伝えられなかった」事が原因では?という視点で、
「こう伝えれば生き残る道もあったのでは?」を考える。


もちろん「当時の事情ではそれはできない」というものも含んでいるので、
「今ならこうできたかも・・・」という視点であることは先にお断りしておく。
目的はあくまで「伝え方・考え方で商品の売り方・売れ方が変わるか」の思考実験なので。

PHSのメリット

PHSには大きく二つのメリットがある。

  • 原理上のメリット
  • 仕様上(設計上)のメリット
原理上のメリット

前にも書いたように、PHSの通信圏は小さい
これはデメリットに見えるが、都会ではむしろメリットになる。
なにせ、基地局が安い」
5000万〜1億円とも言われる携帯電話のアンテナに比べ、PHS基地局20万〜
基地局自身も小さいので、空き地にアンテナを建てるのではなく、マンションの屋上や自動販売機の上にでも置ける。

ちょっと必要なところに簡単に基地局を増やせるメリットがある。

携帯電話は「アンテナ」だが、PHSはアンテナではなく基地局というのが正しい


これが都会で有利な理由は三つほどある。

  • 渋滞・雑踏に強い

人が増えても原理上どんどん基地局を安く増やせる。

Intersection with Rolleiflex MiniDigi / d's2nd

(携帯電話はアンテナが干渉するので密集できず、多人数が一斉に通話するとパンクする)

  • 地下に強い

地下には地下用に基地局を置けば良いので、簡単に地下街をカバーできる。店舗に追加するのも簡単。
携帯電話は最近やっとフェムトセルなどで対応できるようになってきた。

  • 都会に強い

ビルの多い都会では、ビルの谷間で通話の難しいスポットがどうしても発生する。
携帯電話では細かい対応が難しいが、PHSなら簡単に基地局を増やせる。

仕様上のメリット

PHSと携帯電話は音声の方式が全然違う。
このページが分かりやすいので、ちゃんと勉強したい方はこちらをどうぞ。
・リンク → ウィルコムは音が良い?
要はPHSが音声データを送っているのに対して、
携帯電話はあらかじめ「音の辞書」を用意して、「辞書のXX番の音」という番号だけを送信している。
これは原理ではなく、「携帯電話はこうする」という決まり事の違い。


このため携帯電話は音声通話時のデータ量が少なくて、音が悪い
携帯電話での通話ばかりしていて、たまにPHSを使うとその音質の良さに驚くことがある。

I can't hear you / Marc from Borft

まとめると

これをまとめるとどうなるか。
PHSは通話料が安くできるだけじゃない。
特に都会での音声通話は、携帯電話よりも優れている。
逆に弱いのは郊外。
でかいアンテナを建てる携帯電話は、田舎でもかなりのエリアをカバーできる。
しかしPHSは自分で意識して基地局を置いていかないと通話エリアが広がらず、
人の少ない郊外や、そもそも人がいないはずの山奥は基本的にカバーしない。
このため「レジャーに行くのに不安だから」という理由でPHSが使われないケースが出る。

PHSを使ってもらうための解決策

キャッチコピー案「あの街にいるあの人に、息づかいが伝わるPHS

how to advertise a mobile phone / conbon33


「街」と言うことで、「都会に強い」という得意領域をはっきりさせる。
「息づかいが伝わる」音声品質が高いことを前面に押し出す。
安いだけではターゲットが主に学生になるが、「高品質通話」ならカップル層や、親子間の通話もターゲットにできる。

「通話するならPHSというブランド作り

「廉価」以外の強みがなければブランドはなかなか確立しない。
しかし世界レベルの高機能スマートフォンが台頭する中で、「高機能」は打ち出しにくい。
「やっぱりPHSじゃないと」と言ってもらえる層を作れる差別化ポイントとして、一番わかりやすいのは「音が良い」こと。



the SMILE / prayitno

「固定電話並の高い通話品質。じっくり話をしたい時は、やっぱりPHS
※高品質通話は電波状態の良いときだけです

弱いところもサポートする

10年前とは違い、「電話を持っていて当たり前」という時代になると「遠出するとつながらない携帯なんて怖い」という不安との戦いになる。
そこで「携帯電話の一時貸しサービス」PHS会社がやる。
MVMOと言って、今ではドコモやKDDIでなくても携帯電話を販売し、独自のサービスを提供できる。
それなら「通話専用、一時的に電話をレンタル」というサービスをPHS業者がやってもいいんじゃ無いか。


「これからスキーに行くので、3日間だけ携帯電話を借りる」
という使い方を可能にすれば、「遠出するときに不便だから、PHSはイヤ」という声に対応できる。
貸し出し用に、PHSSIMカードに対応した携帯電話を作っておけばいい。

DSCF2063.JPG / uemu

貸し出し費用は日割り計算、通話料は携帯電話並としておけば借りる側のコスト負担も小さい。
電話会社は身元確認も少額決済もできるので、こういう「高額な物を少額で貸し出す」というビジネスに実はとても向いている。

関係ないが新興国のうちでも特に所得の低い地域では、携帯電話は「買う」物ではなくて「借りる」もの。
固定電話が高いので、必要なときだけ借りるらしい。
そのほか通話料をプリペイドで払う、電気が来ていないのでお金を払って充電してもらうなど色々やり方が違う。
逆に言うと、それでも商売が成立するということ。日本の今のやり方に拘らなければ結構アイデアは出てくる。


これがPHSの事業案。
「街中ではどこでも繋がり、安くて音の良いPHS
「遠出の時には携帯電話をお貸し出し、電話番号そのままで携帯電話が使えます」
この二点なら、都会に住むのにPHSを使わない理由がない。
今更言っても詮無いことだけど、さて今後PHSはどうなるのか。