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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

技術解説が好きでごめんなさい

アメリカには「技術解説」の専門職があるらしい。
ネットでちょっと調べても出てこないんだが、専門の難しい技術をわかりやすく解説する専門職だと。

presentation skills / o5com

この仕事はいいなぁ。

新しい技術を簡単に説明するということ

新しい技術の解説や紹介は難しい。
正確に、専門的に言うと誰も分からないし、
難しいところをばっさり切ると良さが伝わらず「胡散臭い」と思われたり、うまく差別化できなかったりする。
専門性を損なわず、簡単に説明するというバランスはものすごく難しい。

A black board at ISEP / elefevre7


また、解説の「深さ」は説明する目的によっても変わる。
その技術をうまく差別化のポイントに持って行きたいのなら技術解説が中心になるし、
新しい技術を気にせず使って貰いたいなら、技術解説ではなく使い方だけを伝えれば良い。

SuiCaの見事な技術解説

見事な技術解説、というか使い方の解説と言えばSuica「タッチ一秒」

それが技術解説?と思うかもしれないが、技術要素をしっかり理解して、使い方に還元している
という意味でこのキャッチは素晴らしい。


SuicaをはじめとしたFeliCa技術を正確に、端的に表すとこうなる。
「13.56MHzの周波数帯を利用し、212kbpsの速度で行われる近接無線通信技術」

これじゃほとんどの人が分からないし、使い方は全くイメージできない。
FeliCaの特徴は「電源不要・高速無線通信・高速認証・データ読み書き可能」といったところになる。
これでも分からない。


ここで機能説明はばっさり捨てることを考える。
使い方だけを正確に伝える方向にする。
使い方を説明するための、基本動作はこうなる。
「近接の10cm程度しか通信できないけど、0.1秒という高速で信号処理を完了できる」

これを正確に伝えるとこうなる。
「リーダー・ライター部の10cm以内に、0.1秒以上カードをかざしてください」
でも目で見えない10cmの範囲で、0.1秒という短時間を認識して貰うのは難しい。
実際に当初の水平な読み取り部の形状では読み落としが大量に発生して、「これは導入できない」という話にまでなったそう。


そこで読み取り部分を斜めに盛り上げて押しつけやすい形状にして、
10cm以内という言い方を変えて「タッチ」とした。
また「0.1秒以上」が感覚的に分かりにくいので、余裕を見て「1秒」とした。
この結果が「タッチ1秒」
実は「10cm以内に0.1秒」という原理から言うとかなり余裕を持った動作説明になっていることが分かる。
しかも分かりやすい。
つまり技術をちゃんと理解し、現場でのトラブルを防ぐために余裕を持った言い方に直した上で分かりやすくなっている。
これは見事だと思う。

名前も大切

JRは昔からオレンジカード」、「SuiCa(スイカ)」などネーミングセンスも素晴らしい。

suica card / bitmask

簡単で、老若男女だれでも憶えて、発音できる名前でなければいけない。
これはセンスだけでなく、目的や対象をしっかり決めた上でつけているからこそ出来る。


当たり前のように感じるが、特に機能説明については「その機能に名前を付けるか」という判断も大切。
今の仕事でも、開発中に「この機能の動作がわからない」とさんざん言われていた機能に、
「別の動作と分かりにくいので、名前を付けて区別しましょう」といって名前を付けた。
大して使う頻度が高い機能でもないし、技術的にそんな最先端技術でもない。
でも、名前を付けて以来「これは凄い」とウケがものすごく高い。
これは正直驚きだったが、名前があることで、その機能を他と区別して考えられるらしい。

今日から「わかりやすさコーディネータ」

技術を伝えるには、その技術の原理、対象、使用目的を理解した上で、ターゲットに適切に、分かりやすく伝えなければいけない。
商品の売れ行きが悪いのには色々な原因があるが、「商品は良いのに売れない」という時にはその良さが伝わっていない場合が結構ある。


アメリカの「技術解説員」を日本語に訳すとどうなるだろう。
「ムズカシイを、分かりやすく説明する、『わかりやすさコーディネータ』」とか、どうだろう。
これは、面白そうだ。ということで、今日から私は「わかりやすさコーディネータ」を自称します。
それに伴って、ブログタイトル、デザインも大幅変更。


ブログのスタイルは今まで通り。
ただ「この商品、良いと思うのに今ひとつ売れないよね」という「お題」をいただけば、その良さ、伝え方をこのブログで解説したい。
(あるいは売れない理由のマーケティング的な分析になるかも・・・)
中小企業の社長さんが自社商品を紹介して貰いたい、というのも大歓迎。
そういう窓口になれば楽しいよね。