ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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オススメのマンガ家。5分で分かる福本伸行

大好きな作家の一人に福本伸行がいる。
とても有名だと思うんだけど、「言わずと知れた」という程ではない、
「マンガ好きの中では超有名」というぐらいの人。
藤原竜也主演で映画化までされてるんだけどね。これはこれで面白かった。

カイジ 人生逆転ゲーム 通常版 [DVD]

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福本伸行の代表作

代表作は「アカギ」カイジシリーズなど。
「オレは『銀と金』を推すぞ!」という人がいるのは分かっているので黙ってください。)

アカギ―闇に降り立った天才 (25) (近代麻雀コミックス)

アカギ―闇に降り立った天才 (25) (近代麻雀コミックス)

ギャンブルマンガの神様みたいな人だが、この人は普通のギャンブルは扱わない。
アカギの最初の時は普通に麻雀をやっていたが、かなり例外的。
なぜかというと、普通の麻雀には「運」が強く絡むから。
もちろんギャンブルには運が必要だが、運に「知恵」を絡ませることで一歩踏み出せるように、
福本マンガでは特殊ルールを設定したギャンブルが殆ど。
例えば「限定ジャンケン」「血吸い麻雀」等々、名前だけでもちょっと不思議なゲームのオンパレード。

似ている作品って何?

有名な作品と比較すると、実はジョジョの奇妙な冒険に凄く近い。

ジョジョの奇妙な冒険 (6) (ジャンプ・コミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 (6) (ジャンプ・コミックス)

特殊なルールの中で、そのルールを解釈して、知恵を絞ることで「100%の勝ちパターン」を見つけて、そこに持って行く。
ルールの中で、お互いがイカサマやハッタリも交えながら裏をかき合う。
これを限界まで極めた作家だと思う。


良くLIAR GAME「嘘食い」が似た様なマンガとして引き合いに出されるが、読み合い・騙し合いという視点で見ると全く別格。
甲斐谷忍LIAR GAMEよりONE OUTSの方が良い作品だと思うし、LIAR GAMEはルールが複雑すぎる上に読みが浅く感じる。
「嘘食い」はおそらく当初「少年誌でカイジをやる」というコンセプトで始まったように見受けられるが、
全然別の方向性で面白くなっているので、これはこれで別物。

嘘喰い 1 (ヤングジャンプコミックス)

嘘喰い 1 (ヤングジャンプコミックス)

あのままカイジを真似しようとしてたら、今みたいに面白くならなかったと思う。

福本ワールド入門編の二作品

で、話を戻すと福本伸行という作家、はっきり言って絵は下手です。
これは別に馬鹿にしてる訳でも何でも無くて、やっぱり上手くない。
特に先端恐怖症の人はご注意。
でも、この話作りの上手さは誰にでも勧めたい。


そこで、福本ワールドの入門編としてオススメしたいのがこの二作品。

生存―LifE (1) (アッパーズKC (66))

生存―LifE (1) (アッパーズKC (66))

告白 コンフェッション (講談社漫画文庫)

告白 コンフェッション (講談社漫画文庫)

どちらも原作:福本伸行、絵:かわぐちかいじという夢のようなタッグの作品。
かわぐちかいじ沈黙の艦隊」「太陽の黙示録など重厚な作風で有名な作家。
太陽の黙示録は麻生元首相も「あれこそ政治を取り扱ったマンガ」と大絶賛した作品。
そのかわぐちかいじが、原作を任せて「絵」だけを担当した、非常に珍しい作品。

生存-life-

主人公は妻に先立たれ、癌で余命宣告をされた男性。
いきなりそこからスタート。
十数年前に行方不明になった娘の遺体が突然発見される。
娘が殺されていたなら、その殺人の時効はちょうど自分の余命と同じ。
この偶然を娘からのメッセージと捉え、男の最後の戦いが始まる。
推理小説好きにはオススメ。

告白-confession-

雪山で遭難した二人。
怪我をした石倉は生きることを諦め、過去の罪を告白する。
その直後、ブリザードの隙間から山小屋を見つけ二人は何とか命を取り留める。
しかし自らの告白を後悔した石倉は・・・
「聞いてしまったあいつが・・・悪いのだ・・・!!」
サスペンス好きにオススメ。


それぞれ単行本三巻、一巻完結でお手軽なのでおすすめ。
福本伸行の話の上手さに引き込まれた、という方は、次こそ是非、カイジに挑戦してみてください。

賭博黙示録カイジ(1) (ヤングマガジンコミックス)

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