日本には過労死するほど仕事があり、自殺するほど仕事がない
「日本には過労死するほど仕事があり、自殺するほど仕事がない」
先日ネットで見てハッとしたフレーズ。
これは見事。
「ワークシェアリング」とか「ワークライフバランス」とか「在宅勤務」とか、
労働時間を短くして、賃金を分配するという案が出てくるようになった。
良いことだと思うが、逆に言うとそれだけ切羽詰まってるって事なんだろうなぁ。
Observatory communications board / West Midlands Regional Observatory
ちょっと自分の話
転職して一日のタイムスケジュールは大分変わった。
あまり具体的な数字を書くとアレなので控えるが、通勤時間が長くなって拘束時間が極端に短くなった訳でも無いが、
労働時間は減って、自分の生活スタイルや考え方、精神状態はだいぶん変わった。
明るいうちに帰れるのは精神衛生上良いわ。
生活も変わった。
- 子供を毎日風呂に入れて寝かせられるようになった
- 本をすごく読むようになった
- 漫画の週刊誌2冊、科学雑誌(毎月定期購読)、2週に1回図書館で5冊、これが最低ライン。
- ブログをこうやって更新できるようになった
これが全然こなせるようになった。
誰にとっても、という一般論を言うつもりは無いが、とりあえず自分にとっては今の会社の方が性に合っているらしい。
短く働いて、みんなが楽しむというスタイル
- 作者: 田中健彦
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フィンランドでは3時や5時に帰ることが会社でも普通に多くて、それで会社は回っている。
では生産性が低いかというとNOKIAなどの世界企業もあるし、教育に関する評価は世界でも高い。
ここから学べる所はないのか、というお話。
例えば、「5時に帰れば平日の夜に映画を見てゆっくり過ごすこともできる」
「映画は日本円で700円ぐらいと安く、気軽に見に行ける」。
忙しく働いて休日にしか映画を見に行けないと、映画館の稼働率は低くなるので一人あたりの金額を上げなければいけない。
もしみんなが5時に仕事を終わって映画を見に行くようになると、平日の映画館の来客数が増える。
つまり来客数が分散されるので、同じ規模の映画館でも、施設の効率が上がる。
同じ施設で観客数が増やせるので、結果映画の鑑賞料金を下げられるかもしれない。少なくとも混雑は減る。
日本であくせく働いても、それを使う機会がない、という知り合いが結構いる。
使う機会もないほど稼いでどうするんだ?と思うが「将来の不安があるので貯蓄する」という回答が多いらしい。
Savings / Images_of_Money
経済はお金を相互に使うことで活性化する。
日本は経済大国かもしれないが、お金の使い方が上手だとは思えない。
過労死するほど忙しいなら、給料を減らしてでも仕事を減らして、自殺するほど仕事がない人と仕事を分け合えばいい。
結局大事なのは意識改革
そのための仕組みはアメとムチの両面が必要だろうなぁ。
アメとしては保育所の充実や安い給料でも働けるように、副業しやすい短時間労働市場の開拓。
ムチとしては長時間労働の徹底的な監視と厳しい罰則規定。
有休の強制取得とかも良いと思うけど。
とにかく雇用側の意識改革も必要だし、働く側も変わらないといけない。
「働く時間が2/3になって、給料が半分になっても生活できるか?」
と考えてみたらいい。
働く時間は短くなるんだから、自由な時間ができても金はそんなに使えない。
ワークシェアをすると飲み屋は多分儲からない。
家で飲んだり、安く河原でバーベキュー・花火といったレジャーが人気になる気がする。
BBQ in Whittier / fredcamino
時間はあるんだから、一日二日はバイトをしてもいい。
あくせく旅行に行くより、庭でのんびりする方がいい。
今よりも積極的に田舎に住もうとする人が出てくるんじゃないかな。
どうなんだろう、ありえるのかな、そんな日本の未来。
リンク → 将来有望な若者の将来価値を毀損する、大きなワナ
リンク → 大企業で働くと毀損されるいくつかのコトについて
ちょうど大企業で働くことについて、ホットエントリーが流れていたので、
「働く知識」だけじゃなく、「働く意義」についても触れておいた方がいいと思って、このタイミングで公開。
不労所得でもなんでもない、「楽して生活」は決して悪じゃないと思うんだけどな。