高齢化時代に水戸黄門が打ち切られ、少子化時代に戦隊物は続く:水戸黄門はどうするべきか
さて、この高齢化時代に水戸黄門はどうすべきだったか。
まず現状の水戸黄門(ひいては時代劇)の特徴を一言で言うと「お子様ランチ的」ということ。
殺陣・人情・お色気・勧善懲悪・お笑い、すべての要素を入れていて、内容が浅い。
だから頭を使わずに安心してみることができる。
ただ、その「内容の浅さ」から「見なくていいや」となって人が離れていっている。
そこで対策として行うべきは、その質の向上。
もちろん現在の総花的な方向では完成されているので、何かを削ってでも
「これでは一番なので見るべき」
という物にしなければいけない。
水戸黄門の「本質」を考える
逆に言うと、「これだけは外せない」という部分以外はすべて捨てる必要がある。
「水戸黄門は勧善懲悪だ、殺陣が命だ」というならお色気は不要だし、
本質的になんで殺陣をやってから印籠一つでみんな畏まるんだって所を考えないといけないんじゃないか?
「いやいや、諸国漫遊記だから旅の風情を伝えるのが一番」というなら毎回の殺陣は必要ないんじゃ無いかって話になる。
「それ以外は100%切れ」というワケでは無いが、毎回毎回「全部込み」にするからマンネリ化する。
「本当に必要な物」をしっかりと見極め、それ以外をトッピングとして使用するぐらいの重みにすることで
ストーリーの自由度はかなり上がるんじゃ無いか。
Nikkei Rio Expo - Apresenta〓〓es de artes marciais / RodrigoFavera
こういう話をすると「いやいや、それはオレの考える水戸黄門はそうじゃない」という意見が必ず出る。
何かを変える、ということは100%既存ユーザーを満足させることは不可能。
でも、既存のユーザー(視聴者)を20%減らしても、新規のターゲットを100%増やせるなら、この変更はすべき事だと思う。
それをやらないからこれだけジリ貧が続いた。
例えば「本格推理道中」にしたっていい。
ご隠居(水戸黄門)が主人公なワケだから、それを生かすとするなら推理とかじゃないのかな。
不正を暴いて旅をする、とかなら勧善懲悪だよね。
三谷幸喜脚本、水戸黄門とか面白そうだけど。
あとは副題「諸国漫遊記」というなら「旅番組」に徹しても良い。
「江戸の目線からの諸国の紹介」というのはなかなか斬新だと思うんだけど。
で、「その時代からある名物」を紹介して現代に繋げるならなかなかいいんじゃ無かろうか。
僕の考える「ネオ・水戸黄門」
個人的に「これ」と思うのは、例えば「Aチーム」的な水戸黄門。(あるいは「ルパン」的)
もう、アホかってぐらい、派手なの。
で、明らかに「忍者」がいる。
弥七みたいな中途半端なのじゃ無く、大正時代の漫画かってぐらい、黒服で忍者刀を持ってっていう。
旅をしながら(あるいは旅のふりをしながら)各国の不正を暴いていく。
agence tous risques - A team / culture.culte
これだけ書くと「何が違うの?」という感じだが、とにかく派手さが違う。
そしてみんなのキャラをとにかくアイコンで書けるぐらいはっきりさせる。
「助さん格さん」は「助さんが緑、格さんが赤」ってぐらい極端に。
で、これで狙うターゲットは「外国人」。
水戸黄門が海外に出てエンターテインメントとして受け入れられるぐらいにする。
これ、別に突拍子も無いことじゃなく、海外で「ニンジャソード」というとなぜかそれで強盗が起きるぐらいメジャーだし、
おしんが東南アジア各国で流れているあたり、日本の風習を出したから海外に行けないということは無い。
むしろ海外で「時代劇」は絶対に作れないので、喜ばれる気がする。
ちなみに「フランスで『ルパン』というと『ルパン三世』のこと」だそうです。マジか、浸透しすぎだろ。
海外に出るには?
ただし海外に出るには、かなり分かりやすい設定になっていないといけない。
水戸黄門は「先の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ」。うん、これはそのままでいいや。黄色で派手だし。
やっぱり、まずは助さん格さんの格好をかなり派手にしないと。
トランスフォーマーだって海外に行って、もう映画が何本も作られている。
海外に売れるなら金も取れるから、より良い物を作っていける。
まずは「水戸黄門 The Movie -加賀に奪われた100万両を奪取せよ!-」とか作れることを目指そう。
映画の収益だけじゃ無く、ロケ地に海外からも客が来る。
これは面白いと思うんだけどなぁ。
ちなみに水戸黄門は「パナソニック劇場」ということでパナソニック一社提供。
お、日本企業として世界を目指すパナソニックさんとしては最高のストーリーじゃ無いですか。
是非、やってもらえないかなぁ。
ん〜、今回は久しぶりに程よくみんなから「話は分からんでも無いけどそれはムリだろう」という話が書けた。
凄い満足。