ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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高齢化時代に水戸黄門が打ち切られ、少子化時代に戦隊物は続く:戦隊物

戦隊物仮面ライダーガンダム
どれも何十年も続いていて、今でも人気がある。
では人気を保っている戦隊物と、人気の低迷している時代劇は何が違うのか?
「こどもは毎年新しくなるから、同じ事をやっていればいい、時代劇は違う」
という意見があるが、それを言うなら時代劇を見る対象年齢の高齢者だって毎年増えている。
要は時代劇がマンネリ化対策をしてないって事だろ。

「子供向け」から抜け出す

戦隊物・仮面ライダーは共通した対策を行っている。
それは「ターゲット層を広げる」ということ。

戦隊物の対策

戦隊物は今回の海賊戦隊ゴーカイジャーが戦略的に見ると面白い。
「海賊戦隊」ということで「過去の戦隊の能力を使える」という能力があり、過去何十年分の戦隊物のキャラクターが総出演する。
これで喜ぶのは誰か?
そりゃその過去の戦隊を知っている層、つまり「お父さん」層。
息子が見るのにあわせてお父さんも楽しんで見られる。

今日はゴーカイジャーショーだった。30分間ずっと肩車してて、ちょっとつらかった(^^;) / masayukig


つまり戦隊物は「子供が見る物」から「親子で見る物」という形でターゲットを広げた。
しかも今回は映画で暴れん坊将軍と共演」だと?
ネタだけで無く、暴れん坊将軍を見ている層=おじいちゃんと一緒に見る物」ということで
ターゲットの拡大を狙っていると言うことだな。

仮面ライダーの対策

仮面ライダーは有名。
男の子向けで力強いお兄さんが主人公だったのが、いつからかイケメンを主人公に据えるようになった。
これで喜ぶのはもちろん男の子では無く「お母さん」
こちらも対象を「子供向け」から「親子向け」に変えることで成功した。

仮面ライダーワールド4 / sawamur

「邪道」たる所以

どちらも既存の「子供向け」の王道戦略からは完全に逸脱している。
仮面ライダーはそのキャラクターだけで無く、結構なシリアスストーリーにも
「子供向けには分かりにくい」とか言われていたが、意外に子供も楽しんでいる。
戦隊物だって「子供が分からないような昔のキャラクターを出しても・・・」と言われただろうに、
この前子供がハリケンジャーとか「ゴーグルレッド」とか言っててびっくりした。
よくそんなのいちいち憶えるな。凄いわ、子供の記憶力は。


とにかく「既存客(子供)」が離れることを恐れず、「新規客(親)」を取り込むことを狙う。
結果、戦略が成功すれば市場を広げることができるし、子供にとっても「新しいヒーロー」として受け入れてもらえるかもしれない。
どちらにせよ「子供だまし」のヒーローでは文字通り子供も付いてこない時代なワケで、
本気で格好いいヒーローを作ろうとすると、手間も金もかかる。
それをしっかり作り込むためには、既存の成功体験を捨てて考えないといけない。
そして時間を金をつぎ込めるように、市場を拡大してより良い物を作れるようにする。

王道を本気で育てている事例:ガンダム

一つ一つ、言ってることは当たり前のことなんだけど、自分の仕事として考えるとなかなか難しいのも事実。
「伝統」を守りつつ、新規参入の障壁をいかに下げるか。
これをずっと考えて頑張っているのは例えば例えばガンダム
ガンダム、Z、ZZとかはまだ「ストーリーの展開」で、そのほかにもサブストーリーはたくさんあるけど
最近のガンダムは明らかに「初代へのオマージュ」という作品増えている。
これはターゲットを「初代を知っているひと」から「新しい顧客」へ広げようとしている、ということ。
ガンダムにおいては初代のファーストガンダムがバイブルなので、新規顧客が初代に繋がるような工夫を作っている。
そして次回公開されるのがガンダム The Origin」

これは初代ガンダムの漫画版なんだけど、それを改めて映画化するらしい。(上の紹介は漫画版)
つまり78年に制作されて30年以上経つ「初代=バイブル」を、ここに来て刷新するということ。
今までも同様の試みは行われてきたけど、今回「Origin」の名前を冠することで、ここから再度30年もつ物にしたいという会社側の強い意志が分かる。


30年というと当時15歳の少年が45歳。
30歳で子供を生めば子供が15歳、35歳で生めば10歳になる。
つまりちょうど試聴層が「代替わり」するタイミングと言うこと。
次の世代では「ファースト」ではなく「Origin」をバイブルにして繋げていこうというギリギリのタイミングなんだと思う。
こういうストーリーをちゃんと考えられているかが戦略だと思う。
ガンダムにはかなりしっかりした戦略が見て取れる。
水戸黄門にはそれが全く見えない。