torneが凄い
PlayStationNetwork、復旧おめでとうございます!
そしてそれに併せてtorneのバージョンアップ!
It's a SONY!(←意味不明)
というわけで話題はSONYのPlayStation3用録画ユニット、torneについて。
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2010/03/18
- メディア: Video Game
- 購入: 61人 クリック: 5,291回
- この商品を含むブログ (240件) を見る
参考まで、紹介記事はこちら。
リンク → やれることが多すぎ:有償アップデートも充実――「torne」オンラインアップデートver.3.00“リモート”を7月7日に実施
とりあえずtorneってなに?
torneは超高速、軽快動作でグラフィカルな画面の地デジ録画チューナー。
この「軽快動作」を見たことがない人は絶対プロモーションムービーを見た方がいい。
我が家はこの動作に惚れて、もっと高機能なレコーダーを全く使わなくなった。
1万円を切る価格でこの機能が実現、ということでものすごいインパクトのある商品なんだけど、
それができるのはほとんどの機能をPlayStation3に頼っているため。
PlayStation3はCellエンジンというCPUが・・・
まぁ、とにかく凄く頭がいい。
そのパワーを、地デジの番組表に本気で使ったら、こんな事になるよというのがtorne。
逆にPlayStation3に依存できない部分の機能はばっさり切っているので、レコーダとしての基本機能は色々弱い。
- チューナーは一つ
- 録画中は裏番組が見られない、録画できない(追っかけ再生は可能)
- 地デジチューナーのみ
- BS/CS等が見られない
- 権利保護は異常にしっかり
- 接続したPlayStation3でしか再生できない
- 外付け機器へのコピーも不可能
我が家で先日PlayStation3がぶっ壊れて修理したが、これで以前の録画データは全部見られなくなった。
録画は外付けHDDにしていたのでデータは生きていたが、PlayStation3との認証ができなくなった。
この辺、異常な権利保護は何とかしてもらいたい。
好きなテレビのデータが死んで、嫁と子供がどれだけ悲しんだか・・・
ということで、「地上波が取れればいいや」という人には最適なレコーダ。
外付けHDDにも対応しているので、500GBも繋げば容量はまず問題ないと思う。
(最近のPlayStation3は本体容量も大きいので、これで賄える人はそれでもOK)
今回のアップデートとtorneの方向性
おおざっぱにまとめると、今回のtorneのバージョンアップの方向性は三つ
- 連携強化
- 有料化
- 機能拡張
これが新しいtorneの方向性を示している
連携強化
- 書き出し
- PSP(PlayStationPortable)への書き出しに加え、ウォークマン・NAV-U(カーナビ)への書き出しを強化
Sintonizzatore TV per PSP / Tanzen80
- 操作
- レコーダと連携し、torneで予約し、レコーダで録画が可能に。
「外で気軽に見たい」「裏番組が取れない」という不満を解消・強化。
家に機器があれば、そのターミナルとしてtorne(+PlayStation3)を使えるようになった。
有料化
上の連携や、スキン(デザイン)などを有料配信。
機能拡張
再生機能の強化など
アップデートから見えるtorneとPlayStation3の方向性
このアップデート自体もすごいが、そこから見えるtorneやPlayStation3の方向性が興味深い。
torne自体は結構SONYの中では「スキマ」になる。
ゲームとレコーダ(家電黒物)は別事業部なので、安いレコーダをゲームの付属品として出すのは、レコーダ部門はやって欲しくない。
しかし「ALL SONY」で良い物を作ったことで、torneはヒットした。
(torne開発には家電事業部の開発も関わったそう)
機能を絞ったのも、「安く作る」という目的の他に、
「あんまり高機能にして、レコーダの売り上げに響いたら困る」という社内事情があったことは想像に難くない。
あえて「オモチャ」にさせられたということ。
DSC_2444 / matsubokkuri
しかし、この「オモチャ」が売れたことで大きく方向性が変わったように見える。
(SCEの平井さんがSONY本体の副社長になったことも大きいかもしれない)
torneがレコーダを制御する、ということは
「リビングの中心にPlayStation3がいて、それが家電をコントロールする」
というシステムの一部としてtorneがいる、と考えられる。
これは有料化とも繋がる。
torneはハードだが、今後の新しい機器や規格には、ソフトの有料配信で収益とできる。
つまりゲームと同じ様な「ソフト産業」を「torne事業」として考える、ということ。
結論としては、torneはSONYとして初めて「リビングプラットフォーム事業」として成功したんじゃないかと思う。
リビングプラットフォームはテレビから「アクトビラ」、任天堂は「Wii 茶の間」、Apple「Apple TV」と各社が参入して、ほとんどが失敗している。
SONYもアクトビラ陣営に参加しているが、あれが成功したとは訊かない。
有料配信は映画やアニメ、というのが配信側のイメージだったが、torneは「コントローラ」「デザイン」を商品として発売した。
「コントローラを商品化する」というのは実は今日発表された「萌家電」とそのまま繋がる。
リンク → ソニーCSL、スマートフォン用「萌家電」アプリを秋公開
「萌え家電を作ったらいいじゃ無いか」はオレがかねてから提案していたこと。
これが成功して、世界に配信されていくなら、そのソフト+ハード産業はかなり海外勢が追いつきにくい領域になる。
これはなかなか将来性がある、と思うんだけどどうだろう。
とりあえずtorne、今ならPlayStation3とのセットで安くなっているのでオススメです!
[asin:B0054O11E6:detail]
(宣伝っぽいけどただのtorneファンです。SONYの社員でも何でもありませんのであしからず)
追記:
なんかホットエントリー記事でも同じ結論のやつがあるな。
やっぱりI/F大事。
・リンク → Apple と日本の家電メーカーのデザインの違いを考える − teruyastarはかく語りき