ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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思考実験:3・読むことに課金する新しい仕組みの提案

ということで解決案。
依然このネタ、ブログで書いたつもりでいたが見つからない。どこいったのかなぁ・・・

お題

文庫やコミックなど、単価が安く巻数が多い書籍で作者・読者ともに利益を得られるシステムを考える。
つまり読者が安く読めて、その費用はなるべく回収して、作者に還元されるようにする。

Trial by Sasswood, Esther Sietmann Warner Dendel / austinevan

仕組み

専用の電子ブック端末を利用した本の配信サービス。

Amazon Kindle PDF / goXunuReviews

※専用端末を利用するのは、表現能力の問題の他にデータの違法コピーを防ぐため


一番のポイントは「一回読む毎に課金」というシステム。
「購入」「試し読み」という概念は存在しない
一回読む金額をできるだけ安く設定し、気軽に読めるようにする。
二回読むと、もう一回課金される。

ここをいかに安く設定できるかがポイント。
決済手数料込みで、一回20円とか50円とか、気軽に読めるようにしたい。

気軽に読める

一回読むのは安いので、気軽に読める。
知らない作者の作品は、興味があってもなかなか買えないが、安ければ試し読み感覚で読むことができる。

作者も嬉しい

安い金額でも、読む毎に作者に還元されるシステムなので、作者も嬉しい。
単価は安くても、マンガ喫茶・図書館・中古本のように作者に還元されない流通がないので
収益自体は大きく変わらない(あるいは増える)はず。
また、何回も読むファンはそれだけ作者に何度もお金が入る計算になる。

出版社・書店などは広告費で稼げ

電子書籍にはどれだけ高機能なオススメ機能・書籍管理機能を積んでも良い。
どれだけ書籍を登録しても、その時点では費用がかからない。
実際読む段階で費用がかかるので、出版社などが広告媒体として「新刊リスト」「オススメリスト」を配信することで
ユーザーに興味を持ってもらうきっかけ作りができる。
「どのリストから読んだか」という足跡をたどれるようにすれば、良いリストは広告効果があるとなるので、広告費モデルも成り立つ。
芥川賞」「直木賞」「このミス」などの賞の他、「この漫画が凄い」などのリストは広告費モデルが成り立つ可能性も高い。

実現のために

電子書籍媒体は既にあるし、課金システムも高機能な書籍管理機能もある。
あとはそれらをこのシステムのために最適化して、導入するかどうかだけ。

  • 取り扱い数をどうやって増やすか(過去SONYが日本市場で苦戦した点)
  • 決済手数料をどれだけ減らせるか(@100円を超えるようでは使えない)


これを実現できるメーカはSONY

  • 電子書籍を既に持っている(SONY READER)
  • 社内で課金システムを持っている


Sony eBook Reader / cloudsoup

これを満たすメーカは他に無い。
次点はSharp
課金システムは社内に無いが、GARAPAGOSシリーズがその名の通り独自の進化を遂げたいなら、このアイデアはどうだろうか。


電子書籍はアメリカでは実書籍の販売数を超えたとAmazonがいっているが、現状では単なる書籍のデータ化。
ユーザにとっては何でもすぐ手に入るだけで、本質的な変化にはなっていない。
折角電子化するなら、本当の意味でデータをクラウド化してしてはどうだろうか。
ユーザはすべてのデータの「利用権(読書権)」だけを支払い、自分ではデータを持たない。
最終的にはそんな時代になると思うので、最初にそれをやってルールを作れば面白いと思うんだが。
SONYの起死回生の一発として、是非!お願いします!