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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

思考実験:1・ゲーム無料館

仮想の日本のお話。
専用機からパソコンへとコンピュータの小型化と普及が進んだ時代。
パソコンは普及しつつあったが専用のプログラミングソフトが何万円、
CADや解析ソフトが何十万という状態ではなかなか素人には手が出せない。
そんな時代に憲法第25条1項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を 営む権利を有する」(生存権
を根拠に、「ソフト館法」が制定された・・・と考えてみた。

Hand Of Justice Vector Art / Vectorportal


ソフト館の趣旨は以下の通り。

  • 高額なソフトを誰でも使えるよう、ソフトを貸し出しする
  • 貸し出す対象は制限してはならない
  • 貸し出す対価を受け取ってはならない(必ず無料で貸し出す)

「ソフト」の内容はあえて制限せず、ソフト館の判断に任せられた。
これにより将来新たなジャンルが増えても、担当者の良識を元に判断できる。
このソフト館により誰でもソフトを気軽に借りることができるようになった。

Various Software Packages / Official GDC

ソフト館の普及後

時代は下り、ソフト館は全国で普及を続けた。
当初は「プログラム」「CAD」「解析」など個人では手が出ないような高級なソフトを扱ったが、
そのうちPCゲーム、PlayStation等のゲームも扱うソフト館が出るようになった。
もちろん「担当者の良識により、公共の場所なのでアダルト系は一切排除された。

ユーザには人気のソフト館

無料でソフトを借りられるとあってソフト館は人気で、人口減の時代になってもソフト館は増え続け、ソフトの貸出件数もうなぎ登り。
話題作が出ればソフト館によっては何十人待ち、という状態が当たり前になった。

悲鳴を上げる制作者

ソフト館に入ったソフトは、その購入時以降は作者(制作会社)にお金が入らない。
「ソフト不況」とも言われる時代になり、制作者の一部は
「中小にとっては死活問題なので、新作ソフトの貸し出しを停止して欲しい」
とソフト館に対して声を上げるようになった。

・・・という思考実験をしてみた。

さて、このソフト館は是か非か。
元ネタは訓練されたはてなならご存じのこちら。

カレー無料化は広く「法による規制」を、水の無料化は「保育園」を扱っているが、
「ソフト館」は「図書館」をソフトに置き換えて思考実験してみた。


図書館は前にも書いたが「図書館法」規定されている。
その貸し出しルールは上にあるとおり、「お金を取らない」のほぼ一点。
取りそろえる本の内容は図書館の司書の裁量次第のため、マンガを置く図書館があったり、ライトノベルの充実した図書館があったりする。

Library, Senate House / stevecadman


図書館という考え方は、元々市民では購入が難しい高級図書を共同購入し、学ぶ意欲がある人に対して門戸を開こうというもの。
古くはギリシャ時代からあったともされ、印刷どころか紙も高級な時代での必然性は高かったと言える。
しかしマンガ一冊400〜500円、安く読みたければ立ち読みでもマンガ喫茶でもある時代に、
図書館でそういった書籍を扱う意味はどこにあるのか。


現状の図書館の実情を再確認し、図書館の位置づけを考え直してもいいのでは無いか?
とある本を読んでいて、そんなことを感じた。
長くなるので、明日からは数字をベースに出版と図書館のあり方について、ちょっと分析してみる。