ワード検索時代の終焉
googleは検索で急成長し、世界有数の企業にまで成長した。
しかし、ワード検索は終わりを告げて、これからはSNSによる検索の時代が来ると言う意見があった。
リンク → SEOの終わりとソーシャルとnanapiのコンテンツの未来
これは正しいと思う。
フィッシング詐欺の一番いい対策は、みんなに正しいアドレスを確認すること。
これからはSNSの評価でページランクをつけることで、ページジャンプする先を検証する時代になるんだろう。
SNS型検索
このソーシャルメディアを使った検索・推奨システムを「SNS型検索」とする。
「SNSでの推奨システムは検索ではない」という意見もあると思うが、既存の検索システムに置き換わるという意味で「検索」とする。
このSNS型検索は、メジャーなもの、話題のもの、人気のものではとても有効。
人気が上がれば更に推奨されるという正のフィードバックが起きる。
実際にこれが起きているのがtwitterや、そのまとめサイト「Togetter」。
震災では、デマが拡散されても、その検証をおこないTogetterで確認されることでデマも速やかに収束した。
ところがこの仕組みでは本質的にカバーできないものがある。
例えばこんな情報は、SNS型検索とは別に進化する必要がある。
ニュースサイトも進化する
「新しい情報」とは新商品情報やニュース速報、他には「掘り出し物」など。
Appleの新商品のようにみんなが注目しているなら、放っておいても情報が拡散するが、
マイナーな会社が面白い新商品を出したときには、そういった面白い情報を調べて発信する記者が必要になる。
Fox 5 News reporter, Brett Larson, with a dumb look on his face / PetroleumJelliffe
現在はそれぞれの情報毎に新聞社や出版社、雑誌という主体がある。
それを統合するまとめサイトとしてはGoogle Newsをはじめとした各ポータルのニュースページがある。
この辺、まだ新聞の形態から脱却できていないので、進化の余地はまだあると思う。
ただ、その形は単純な有料配信や会員ページでは無いと思う。
ポイントは
- ユーザーにとっては無料か、非常に安いコスト
- 多様なユーザ数を満足させられる記事数
- 投稿者へのインセンティブを与えられるシステム
ニュースでは無いが、多数の情報を安価に得るシステムとしては「WeatherNews」がある。
WeatherNews社は、登録しているユーザの投稿を最新情報として天気を高精度・高速に分析している。
ニュースでもこういった「市民記者」をどう生かすかが重要になる可能性が高い。
マイナーな情報も進化する
専門的な情報とは学術的な情報や、ニッチ業界の情報。
学術分野は分野ごとに専門サイトやSNSがあるが、将来はそれも一般に公開されると思う。
問題はニッチ業界。
そもそもまとめる主体が無いし、見る人も少ない。
現状、ここは従来型の検索エンジンで探すしかない。
googleや各国の注力する次世代検索エンジンのターゲットはここ。
注力技術は「自然文検索」、競合は「人力検索(OK Wave や はてな)」。
少し前まで各国政府も乗り出すお祭り騒ぎだったこの自然文検索、もちろん挑戦は続いているが、下火になった感は否めない。
それはやはりSNSの台頭が大きいと思う。
産業として一番大きい部分は将来的にSNS型に持って行かれる可能性が高いので、
そうなると自然文検索の産業規模は今後縮小する可能性が高い。
少し前まで、こんな状況は予測できなかった気がするけどなぁ。
業界が縮小すると業界第二位以下への淘汰圧力が一気に高まる。
Googleは業界トップというだけでなく、Androidという別事業への展開や、
世界最大のデータ量を使った新たなビジネスモデルを考える基礎技術も、企業体力もある。
検索技術への投資ができず、早い段階で検索に見切りを付けざるを得なかった日本企業はむしろ傷が浅かったということか・・・
やっぱりIT業界は移り変わりが激しいから、予測が難しいわ・・・