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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

自動運転技術の萌芽

日経サイエンスの記事より。

あるメーカーが、本気で自動車の自動運転技術(オートクルーズを開発しようとしてるみたい。
すでに走行距離は 数千km。
「歩行者をはねたり赤信号を無視したり道を尋ねたりしたことは一度も無い」とのこと。


その企業が凄いところは、いくつもの最先端技術と、圧倒的な金と情報量。
例えば進路の判断には通常のプログラムでは無くベイズ理論」による予測を行う。
実際の道路では100%の周囲情報を持てないことを前提に、その場その場での最適な判断を行うため、とのこと。
理論自体は250年も昔の物だが、それを自動運転のなかに組み込むソフト技術は素晴らしい。
情報で言うと、なんと世界のありとあらゆる道路をカメラ付きの車で走って、映像を録画している。
その時の動画を元に、「プログラムならどう判断するか」というシミュレーションをできることになる。。
こんな実験を世界中の道路に対して、社内でできる企業は他に無い。


その企業とはGoogle。先の道路画像とはストリートビューのこと。
パソコンから始まったGoogleは携帯電話のOSで圧倒的な地位を築き、将来は自動車の制御部分を乗っ取ろうとしていると考えられる。

Google / warrantedarrest

自動車メーカにとっての自動運転

自動運転は昔から夢の技術だが、自動車メーカーは本気で取り組もうとしていないように見える。
あるいは、取り組んでいてもあまりに慎重すぎる。


自動車メーカに行って話をすると分かるが、彼らが一番気にするのはとにかく「安全」
エンジンやシャフト、ベアリングなどの走行に関わる部品は「重要保安部品(重保)」と言われ、
徹底的な品質検査を受けて自動車は組み立てられる。
表向きは「走りやすさ」「スピード」「エコ」「加速性能」等が売りだが、実際には一番気にしているのは安全面。
自動車に対する高い品質と信頼は、こういうメーカーの姿勢から出ていると思う。

DSCF4992 / joelogon


ところがこと「自動運転」に関して言うと、これは慎重すぎる原因になる。
実際の運転では状況を把握しきれない事も多いので、ある程度「予測」「推測」で人間は運転している。
自動運転を行うには、この予測をある程度行わなければいけない。
自動車メーカーとしてこの「予測」はできる限りしたくない。
もし、その予測が間違っていて、そのせいで事故を起こしたらその責任問題を持ちたくないから。
逆のパターンもある。
こちらはきちんと運転していたのに、相手がぶつかってきた場合。
それでも相手が100%の責任にならない場合、「自動運転は大丈夫なのか?」という問題に即繋がってしまう。

アメリカの自動運転

しかし自動運転をやっている会社はそんなことを気にしては居られない。
アメリカではDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency:防衛高等研究計画局)という国防の研究機関が
「自動運転の大会」を主催し、何百kmという距離を自動運転で走破できる車が何台も誕生している。

IMG_2557.JPG / anthonares


もし自動運転技術が重要な差別化になったらどうなるか?
EV(電気自動車)時代には、モーターと電池を買ってくれば誰でも自動車を作れると言われている。
その時の差別化として、自動運転のソフトが差別化ポイントになるかもしれない。
「自動走行のOSバージョン」が自動車の選定時の一番重要なポイントになる時代が来る可能性もある。


「そんな時代が来る訳無い」と言う人は、10年前の携帯電話を思い出して欲しい。
当時、携帯電話をOSで選ぶ時代が来るなんて、誰も思わなかったんじゃないか?
ところが今では、LYNXという名称よりAndroid 1.6のケータイ」というほうが通りが良かったりする。
同じ事が自動車にやってこないとも限らない。

誰かが自動運転に手を挙げて欲しい

日本は産業規模に比べて会社数が多すぎる、とは昔から言われていた話。
オートクルーズも各社が独自に研究していて、国がとりまとめしようとしているがなかなか進まない。
オールジャパンで」とは良く効くかけ声だが、
みんなが手を組まなければいけないかはともかく、
この件に関しても資本と技術のある会社が、本気になって自動運転に取り組まないと、気がつくと足下をすくわれる可能性が十分にある。


それは自動車メーカーじゃなくてもいい。
資本力にかなり疑問があるがパイオニアなどのカーナビ会社は位置づけとしてちょうど良い位置に居るし、
EVのキーである電池の供給会社としてパナソニックが本気を出してもいい。
とにかく検索はGoogleに持って行かれて、携帯電話のOSもやられた。
世界の巨大産業を生み出し、自社で取り込んでしまうGoogleの戦略は素晴らしいが、
それにやられっぱなしではいけない。


どうか、日本のメーカーも本気で自動走行技術に取り組んで貰いたい。
そして、その自動走行OSをGMやフォードやBMVに売って、それを一大産業にすればいい。