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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

プリンタの新ジャンルの萌芽

ビジネス案 新技術

あまりニュースになっていないようだけど、個人的にはものすごく注目の新商品について。


日本HPの新商品。
リンク(公式) → インクジェットプリンター HP Officejet 100 Mobile
キャッチコピーは
商談先でも気軽にプリント 片手サイズのモバイルプリンター

営業と紙

アメリカじゃどうか知らないが、日本はまだまだ「足で稼ぐ」営業が主流。
宋文洲さんは怒るかもしれないが、やっぱり訪問して、話をして、資料を渡すというとスタイルが圧倒的に強い。
(ていうかソフトブレーンもそうだったけど)

Getting ready / tomer.gabel


そうなると営業マンは紙をどれだけ持って行けるかが勝負になる。
営業としてはやはり提案力が勝負になるし、一日に何件も訪問する訳だから必然、資料はものすごい重さになる。
それこそ生命保険や商社の営業のカバンは紙で一杯だし、車も予備の資料が何kgも積まれている。

プリンタが起こす営業革命

そこで前々から「あれば売れるのに」と思っていたのが「携帯プリンタ」
チェキのような小型プリンタでは無く、A4サイズが印刷できて、その場で資料を印刷して渡せる物。
日本の営業スタイルでこそ必要な物で、実際にhpのキャッチコピーが「商談先でも」と書いてある。
こんな日本的な商品を日本メーカが出せなかったと言うことが何とも情けない。


このプリンタはものすごい可能性を秘めていると思う。
今なら印刷機で大量に印刷し、各営業所に配付している資料を
白い紙を持っていって、お客様の前で印刷するスタイルに変える可能性がある。
印刷資料は印刷から配布までの手間がかかるだけでは無く、
一度に大量に印字するので、更新時に在庫分を一斉に廃棄するコストも大きい。

papers / fsse8info


つまりこのプリンタの競合は、大きなプリンタや複合機では無くて、印刷工場にある「印刷機」になる。
もちろん「そんな品質ではダメだ」という資料もあると思うが、逆にそれで十分なニーズもあるはず。
実際、注文書のような重要な書類だってFAXで十分な訳だし。
そうなると営業所の大量の紙ストックの大部分を削減できる。
また、印刷期間や配送期間の遅れを無くすことができるので、営業所への配布作業が不要になり素早い動きができるのもメリットになる。

今回の商品のスペックと今後の可能性

今回の商品では一回の充電(3時間)で500枚印刷できて2.3kg。
大きめのノートパソコンくらいか。
片手で持ち運びは可能だが、パソコンとセットで持って行くには結構な重さ。
これがすぐに紙に置き換わるか、というと微妙だと思う。


ただ、これが進化をすれば営業は「一人に一台」という時代になる。
進化の方向性はすでにかなりはっきり見えている。

  • 印刷品質
  • スピード
  • 軽さ

印刷品質とスピードは今までプリンタメーカが散々戦ってきたところ。
それに軽さというファクターが加わることで、プリンタは新しい戦場に進むことになる。


今の家庭用プリンタは「複合機」と言われものすごい高機能なプリンタが数万円で買える。
それはつまりインクがそれだけ高価と言うことなんだけど、
業務用のプリンタなら印刷数も台数もそれなりに見込めるし、
競合する物が印刷機なので既存市場と競合しない。
また小型化は日本のメーカーが強いところだし、印刷モジュールには高いノウハウが必要なので
蓄積のある日本メーカーがまだまだ戦える領域でもある。

Printer Tiger / mava


家庭用プリンタはキヤノンエプソンという日本の二大メーカが強いが、
世界ではhpは4割という巨大シェアを持っていて、韓国勢も参入し激しい戦いが始まっている。
新興の韓国勢を引き離すためにも、「小型・携帯プリンタ」という新ジャンルを拓こうとするhpの戦略は正しい。
日本メーカもこの市場の開拓に協力するだけで無く、
海外を含めてこのジャンルを広げていくと面白いと思う。