ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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鬱について - 2:鬱から見た世界

鬱になったときの状況を、本人目線で考えてみる。
周囲から見るとサボっているように、ダラダラしているように見える内面は、こんな事になっている。

Worried - 62/365 / [ Roberto Bouza ]

鬱の自覚

鬱の症状が急激に進んだり、浮き沈みが大きければ自分も周囲も自覚しやすいが、ゆっくり進むと「ちょっと調子が悪い」「怠けている」と区別がつきにくい。
その判断が自己申告でしかできない所にいまの精神病治療の大きな問題がある。
鬱は心の風邪とよく広報で書かれる。これは「誰でもなるもんだから気軽に病院にきてね」という意図だろうが、そんな軽いもんじゃない。
「心の肺炎」という人もいたが、「心の骨折」あたりでどうだろうか。
なんで骨折かは追々解説する。


鬱の時は、とにかく強い貧血の様な症状が最初にある。
目が少し霞んで、頭が寒くて、ぼーっとする。
手足もちょっとしびれる。
戦争映画でも、刑事ドラマでもいいが、撃たれた人が浅い呼吸でゼェゼェ言いながら喋る姿をイメージして欲しい。
あんな状態に日常なっている。
これはストレスによる体の防御反応らしい。
動物で考えると分かりやすいが、敵に会うとまず逃げて、生き延びようとする。
ストレス反応というのはこの「敵から逃げる体制を取るということ。
体がすぐに動ける様に呼吸を浅くして、傷ついても死なない様に体幹(手足以外)に血を集める。結果脳や手足から血が引く。
動物ならその場から逃げればいいが、社会ではそうもいかない。
つまり、ストレスへの反応を動物的に取ると、人間社会ではストレスがそのままため込まれることになってしまう。
結果ストレスのかかった状態が日常化する。
それが鬱だとおもう。

stressed and worried / Bhernandez


その結果がどう出るかは人それぞれ。
オレは元々が頭痛持ちなので頭痛になるし、痒みやチック(規則的な繰り返し行動)が出る人もいる。
精神病の分類ではこの発生した症状で分類したりするが、それは余り意味がないと思う。
経験からすると、一つの病気でもその日の症状で色んな症状が出るし、それって風邪「熱病」「鼻水病」「咳病」と分類しているような物な気がする。
対処療法(薬の処方)にはその分類も意味があるだろうが、根本解決(暖かくする等)にはその分類は意味をなさない。

鬱の人から見た世界

鬱の時は、とにかく深いことを考えるのが困難になる。
これもストレス反応としては正常で、とにかく敵から逃げるなら、色々考える前に素早い反応が求められる。
だから「深くは考えられない」が、「素早く考えられる」
これが重なるとぐるぐる単純な考えがループして、パニック状態になる。


例えば鬱の症状として挙げられるものに「貧困妄想」がある。
銀行に行けばお金はあるのに、財布の中にお金がないから「お金が無い!」とパニックになる。
ナインティナインの岡村さんもこれになったといっていた。周りから見ればおかしいのは一目瞭然だが、本人は頭が回らなくなっているのでパニックになる。
オレの場合は「足し算ができない」という症状が出た。
ある部品を20カ所なら20カ所に配る、という仕事をしようとしても、何度やっても数が合わない。
仕様表の数値のミスがわからない。
もう、計算しようにも前の数字がわからなくなっていたんだと思う。
何度検算しても数値が合わないから、どこかで見切りをつけて提出するしかない。
するとやっぱりミスっているという悪循環。
鬱でダメになる典型的なパターンですな、こうやってまとめると。