沖合養殖で食料自給
購読している日経サイエンスで、「沖合養殖」という技術が紹介されていた。
沿岸ではなく、海の深い沖合で養殖するというアイデア。
アイデアというか、一部実用化も始まっている方法らしい。
なぜ沖合か、という理由の一つが「海が深くて、潮の流れがあること」。
養殖では狭いところに魚を多く飼うので、エサが残って必ず富栄養化する。
適切な飼料管理でエサの量は減らせるが、それも限界がある。
富栄養化は赤潮の原因になる。
沖合養殖なら潮の流れに乗せて養殖できるので、エサが潮に流れて富栄養化が起こらないということ。
なるほど。
何が面白かったか
養殖の限界は「一カ所で育てる」ということ。
これには次の様な問題がある
- 台風など災害時の対策が難しい
- 回遊魚は育てられない
ウナギの完全養殖では、陸上で管理された養殖を行うことでこの限界を超えようとしているが、
記事では「養殖場が自走して回遊し、養殖する」というアイデアが提案されていた。
なるほど。アイデアの発想が単純で、バカだ。
単純だが、とても効果的な発想でもある。
アイデアでは巨大な筏に養殖プラントをひっさげ、水面には風力発電とエサの投入設備があるとのこと。
実際には推進施設とGPS、通信機能と、作業員の宿泊施設等も必要だろう。
巨大な養殖プラントが太平洋を巡回し適切な水温で魚を育てる。
エルニーニョでもラナーニャでも、水温が極端に変化する場合はそれに応じて回遊コースを調整すれば良い。
水揚げの時期には港の近くに来ることで水揚げコストも下げられる。
「そろそろ養殖マグロのプラントが日本に来る季節だね」
なんて新しい「旬」が来るかもしれない。
なんかそういう未来図も面白くないですか?