ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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電気とガラパゴス

震災からこっち、
被災地と原発を映すテレビと、復旧を急ぐメーカーの隣で、
コラムニストは「震災後日本人はどう変わるか」を考えている。
とりあえず間違いないのは脱原発
そして全ての電気製品は、開発の段階で
「それ、停電になったらどうする?」
という検討がなされる。これはまず間違いない。


例えば自分が今現在、新しいデバイスのネタを書こうとする。
その時に「これ、電源切れたらどうしようかな」と考えてしまう。
これは関東圏じゃもっと顕著じゃないだろうか。


例えばエレベーターには緊急用のキャパシタでも積まれるだろう。
「移動中に停電になったらとりあえず近くの階まで行って緊急停止する」
という程度の動作ができるようになるはずだ。
今は緊急の停電に備え、停電前には電源を落とす措置がなされると聞く。
(関西圏の人間からすると全て伝聞なので、本当かは分かりません)


日本の物作りは確実に進歩し、
「日本製の機器は電源の緊急停止でも大丈夫」
「海外製は停電の時が怖いから買えないよね」
という差別化が新たに生まれることになる気がする。
そういう新機能の普及速度は日本は速い。

停電対策の弊害

でも、それって当然コストがかかる。
電池自動車の普及の妨げになっているのは電池のコストだし、
中国はLi-ion電池の期間材料であるリチウムの出荷制限を行っている。
それによって価格がさらにつり上げられているのは周知の通り。
今現在もこういったレアアースを使わない電池・モータの開発が全力で進められているけど、
それが更に進むのは間違いない。
普通はこういう「いくら金を使ってもいい!」という話は
戦争や国際競争(アメリカ対旧ソ連の宇宙開発競争)で進むんだけど、日本は地震が契機になる。
まぁ、戦争や競争心でないことは希有で、良いことだとは思う。


さて気になるのはその後。
「停電対策がされてます。10万円アップです」
みたいな価格でも、日本では売れると思う。
みんなそれだけ危機意識が高まっていると思う。
では海外では?
アメリカではカトリーナ以降急激に環境意識が高まったが、それを見た諸外国は
アメリカの環境対策を見て、ようやく重い腰を上げた格好だ。
結局自分に火の粉が降りかからないとみんな覚醒しないし、行動は替えない。


いくら日本で停電対策が急務でも、それが海外から浮いていると
下手をするとオーバースペックになる。
つまり新たなガラパゴス仕様」になる。
いくら便利でも、諸外国では通用しない、それがガラパゴス機能。


停電対策は必要か?
それがコストになるならその必要性を世界に訴えなければいけない。
おサイフケータイは日本の独自仕様だったが、ようやく世界に広まろうとしている。
ただそれはアメリカ発信の規格が中心となってしまっている。
停電対策が日本の標準技術として立ち上がるなら、世界に向けた情報発信が同時に必要になる。
日本は力強く立ち上がらなければいけない。
そのためには情報の発信もとても大事。
素早い発信と素早い規格化、それによる市場の独占。
日本メーカーの復活の一助となる、新たな機能に期待します。