ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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新規発電計画を考える

なんか書こうとしていたことがネットで既に話題になってしまって、
ネタかぶるからちょっと方向性を変えようかな。
とりあえずすでにまとめてコメントまで入れて頂いている記事はこちら。


「千葉県の犬吠埼の沖合に風車をいっぱい建てたら東京電力の2005年の年間電力販売量にほぼ等しかった」のワナ


震災から日が経って、被災者の救出から避難所に視点が移り、これから復興という話に進んでいく。
今回の震災は今までに比べて大規模だったことはもちろんだが、復興に関して言うと質的にも大きな違いがある。
それは原発「停電」


原発は取りあえず今やれることをするしかない。自衛隊・消防ほか現地の皆さん、本当頑張ってください。
もう一つ、深刻なのは関東圏の停電。
これは普通の停電とは全く質が違う。
なにせ発電所が死んでいる。
「何かを直せば復旧する」という類のものではない。
供給量を増やすか、消費量を減らすかのどちらかをしないと確実に回らない。
この対策は災害復旧と同じぐらい、本気で、急いで考えないといけない。

停電対策

電力不足に対する対応策は次の三つがある。
項目だけ並べてみても、どう考えても今日明日に対策できる内容じゃないことが分かる。

  1. 発電量を増やす
  2. 電力を他から持ってくる
  3. 消費量を減らす

とんでもなく長くなりそうなので、今日は「1」について。

発電量を増やす

発電量を増やすには、発電所を建てるしかない。
日本に限らず、大規模な電力が必要な場合は原子力・火力(石油・石炭)による発電に頼るのが一般的。
(北欧では水力に大きく依存する国もあるが、地域特性と消費電力が少ないので例外的)
他にはガスタービン発電なんて言うのもあり、今後はこちらがかなり注目されるはず。
ただどちらにせよ大規模な発電所建設には3〜4年はかかるという。
地盤の工事から考えると大幅な短縮は難しいと思う。


こういう話をすると太陽光や風力みたいな自然エネルギーがあるじゃない」という人が必ずいる。
上の記事でもそうだけど、「発電量」だけで同等にすることは可能。
ただ、実際の発電能力では発電機(風力の場合は風車)の他に、自然エネルギーの場合は
「平滑化」「送電」に問題があることを知る必要がある。
自然エネルギーは不安定なので、一定の電力にするには巨大な電池などを使って平滑化する必要がある。
NaS電池などが使用される)
こいつが結構高いし、システムも難しい。
また、送電は電圧が高いほどロスが少なくなるので、送電は高圧電線で送り、消費側で電圧を落とす。
大きな発電所は元々高圧で発電できるが、自然エネルギーは一般的にエネルギー密度が低いので
電圧を上げる仕組みも必要になる。
ってかエネルギー密度が低いので建設費用が高い。(同じ発電量にしようとするとものすごく広い面積が必要)
費用だけの問題じゃないのはもちろんだが、費用とメンテナンスのことも考えないといけない。
発電所を作るための広大な敷地がどれだけ日本にあるか?という問題だ。


では何故「海外でXX発電が実用化されているんだから日本でも!」という話があるのか。
はっきり言って、殆どの大規模自然エネルギーの導入に関しては、日本は非常に不利な環境であることを
知っておく必要がある。

太陽光

日本は世界でも有数の降雨量の多い国だ。
太陽光発電「広い面積」「長い日照時間」発電効率を高めるが、日本にはそんな開けた場所がない。
そしてアホみたいに雨が多い。
むしろこんな国から太陽電池の導入が始まったことが驚異と言える。

風力

風力発電で勘違いされやすいのが、風力発電「一定量の風力がある環境」がもっとも効率が良いと言うこと。
日本は風力が一定しないどころか、ほぼ全土が季節風(台風)の勢力圏内にある。
またこれも世界で有数の落雷国だったりする。
とにかく風車にとって、こんな悪条件な国もなかなか無いんじゃなかろうか。
実際に海外製の風車を日本に持ってくると落雷で故障、ということが頻繁に起きた。
(改善された、という話も合ったが詳細は知らない)
風力発電で有名なのはイギリスの海上発電だが、あれも遠浅で偏西風があるからできること。
日本は大陸棚が狭く、あれをやろうとすると建築コストがばかでかくなる。
あと、風力発電では風車は大きい方が効率が良い。
しかし風車のサイズがあるレベルを超えると、羽の先端速度は音速を超えてしまう。
そうすると衝撃波(ソニックブーム)が発生し、近隣は騒音被害に悩まされることになる。
つまり効率よく風力発電をしようと思うと、これはこれで市街地から離れた広い場所が必要と言うこと。

地熱

日本ならではの発電方法で、殆ど実用化されていないのが地熱発電
地下の高温の水を使って発電する方式だが、温泉宿の反対などで導入が進んでいない。
ただ「新たな発電方法」というだけで大規模化は難しいと思う。
自然エネルギーと言っても地下水を使うようなものなので、下手に大規模化すると資源の枯渇の可能性もある。
発電量を増やす一方法、というぐらいでとらえたらいいと思う。


とりあえず結論としては、小規模な村・市ならこういうマイクロ発電の組み合わせで小型の電力系統を
作ってしまうのはアリだと思う。
小規模なら送電コストはあまり考えなくて良いし、導入コスト・場所もあまり考えなくて良い。
しかし関東圏をカバーする、という大規模なものになると話が変わってくる。
数百万kWオーダーの発電システムを作るとなると、どの発電方式にせよ数年単位が必要なのは間違いない。
現実的には数万〜数十万kWクラスの中規模〜大規模発電システムを大量に作る方が、
システムは複雑になるが障害には強くなる。
その規模を各自治体や、独立した電力会社が考えれば面白いんじゃ無いかと思う。
電力会社は東京電力じゃなくてもいい。
江戸川電力とか諏訪電力とか山梨電力が次々に設立されて、自分の電力系統・勢力範囲と
東京電力との電力融通を実現すればいいだけじゃないかな。
実際にアメリカはそういったシステムらしいし。