ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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とりあえずまたtwitterについて

昨日twitterの事を書いたらtwitter上でこんなコメントを頂きました。

@macchan1978
twitterのRTが投票であるというのは凄く面白い見識やと思うけど、その後の議論が尻切れトンボな感じで残念。厳しい意見すまぬ。

ってかブログにコメント機能があるんだからこっちで書いてくれよ。
でもまぁ、そこまで書かれたら何かしら議論を進めないといかんと言うことですか。
あぁ、めんどくせぇ。

前提条件

まずこれから書く話は現状の日本のtwitterの使い方を念頭に置いている。
本国米国でどういう使い方をされているか知らないし、フォロワー数の違いを見ても違った使い方をされている気がする。
現段階で、すでに日本は独自の進化を遂げている気がするのでそこを前提に書いていく。

現状のtwitterについて

twitterとは、現段階で「集合知の具現化」という一番成功している事例だと思う。
それは
意見を出す → 意見を広める → 意見を修正する
という流れが従来に比べて非常に簡単で、早くなっているということ。
ポイントは「正確」にはなっていない、ということ。
ここは要注意。
「ネットの情報は当てにならない」という意見は正しい。
ただし、twitterの場合はそれを集合知による修正」という手段で解決している。


例えば放射能の汚染対策には酢昆布がいい」という情報があったとする。
このきっかけは誰かが「酢昆布でもいいんじゃね?」という気軽な話が、回り回って大きなうねりになったとする。
これが「意見を広める」という大きな流れの例。
今まではこれに時間がかかったし、出版社や大きなサイトを間に介すことでフィルターの役目をしていた。
twitterは元の発言、あるいはそれを引用した人を中心に広がるので、その発言元が個人でも企業でも関係ない。
ただし、その流れがあるラインを越えると各方面から検証が入る。
「いや、さっきの酢昆布の話っておかしくね?」という話が今度は広がる。
この「修正」のスピードも半端じゃない。


今回の震災でtwitterはその清濁を見事に見せつけた。
正しい情報も、怪しい情報も怒濤のように流れ、震災の手助けができない人たちは
「正しいであろう」情報を必死にRTし、役に立つ情報が流れるようにした。
そしてその検証作業に役立ったのはtogetterであることは間違いない。
140文字のtweetを、時系列で並べられるこのサービスはtwitterの可能性を大きく広げた。
twitterの議論が口げんかではなく、周囲から検証と反駁ができる状態にしたのはこのサービスのおかげ。
このおかげで怪しい情報は急激に収束し、在野の研究者による詳細な解説などが次々公開されるようになった。


この一連の流れを見ると、twitterがうまくいっているのはこの「RT」「favorite」という
いってみれば個人個人の「投票」機能をうまく生かせているからだと思う。
逆に言うと公式アカウントがtweetすることでマネタイズに繋がるか、というとそれはちょっとちがう。
twitterの基本ラインはこの集合知を放置し続ける、「顔の見える2ちゃん」という状態だと思う。

企業が使うには?

では企業が使うにはどうするか?
これ以外にも色々あるだろうが、基本的には

  • Q&A(問い合わせ)
  • システムによる投稿、tweetマーケティング
  • リアルタイム更新

思いつくのはこれぐらい。


Q&Aは東急ハンズがやっているように、問い合わせをtwitterで受けるというもの。
システムによる投稿は、特定のイベントサイトに登録するとtwitterに投稿する(UNIQLO)、
tweet特定の単語、ハッシュタグを入れると投稿したものとみなす(フリスク)など。
リアルタイム更新は、セールやお祭りのイベント情報や安売り情報をとにかく送信する、というもの。
どれも既にやられていて、twitter活用の成功事例と言われているんだけど、実はtwitterを使わないでもいいんだよね。
だからどれも個人的には否定的。
便利だし、やりゃいいと思うがtwitterだから、にはなっていないと思う。
東急ハンズの使い方は便利だし、これからtwitterが使うようになるなら
各企業が当たり前のように「入れなければならない」仕組みかもしれない。
でもそれ、twitterじゃなくてもいい。そして本質的に効率的なマネタイズ方法じゃない。


twitter「フォロワー」というのがとても大事で、要は「読んでもらわないと」意味が無い。
一個人の感覚で言うと、フォローしている数は100も行けば簡単にパンクする。
つまり友人を含め「読みたい投稿」の100番以内に入らないといけない。
Q&Aはその仕組みとは違い、1対1でやりとりするからフォローは関係ない。
そういういみでは発展の可能性があるし、データをためることにも価値がある。
しかしリアルタイムマーケティングでは、気がつくと終わってしまう。
「即時性が高いメディア」はイコール「忘れられるのも早い」「旬を逃すと価値がなくなる」という非常に厳しいメディアでもある。
そこで成功するのはとてもピンポイントな情報発信。
そういう意味では「企業アカウント」ではなく「商品アカウント」が成功の秘訣ではないか。
頻度が高すぎず、定期的に情報の欲しいアカウントならフォローする価値がある。
何だろうなぁ、マニアックで金をかけても欲しいと思うものの最新情報・・・と考えていくと実はメールマガジンになる。


twitterで成功する企業が出るとすれば、個人にピンポイントの情報を発信してくれる
プッシュ型のメルマガのようなもので、それはバックに高度なアルゴリズムを持ったものでないといけない。
つまり140文字のgoogleのイメージ。
そんな企業は各国数社しか必要ない。(そんなたくさんフォローできないので)
これが電通twitterにさっさと見切りをつけて、Facebookにシフトした理由じゃないかな。
Facebookは次世代のWEBサイトという展望があって、力を入れるにふさわしいと判断した気がする。
ということで、考えた結果twitterはやっぱり企業向けじゃないという結論になりました。


なんかまた怒られそうな気がする。