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戦略のお勉強:陳腐化戦略

「陳腐化戦略」という商品戦略がある。
「目新しい感じがする」もの・機能をどんどん追加していき、
その前の物を「古い」「ダサい」ものにしてしまうことで買い換え需要を図るというもの。
その商品(群)が市場のトップシェアを握っている場合に適用される。

陳腐化戦略の詳細

陳腐化戦略を取っていない場合を考えると分かりやすい。
市場のトップシェアを握った場合、新商品を開発しても売上の伸びしろは小さくなる。
売上比率を <更新需要>+<新規需要> で考えると、新規需要の割合が減る。
このためいかに「更新需要」の期間を短くするかがポイントとなる。


通常は商品で製品寿命は決まっており、そこからの更新需要もおおよそ予測できる。
この更新需要を短くするにはいくつか方法があるが、例えば以下のようなものがある。

  1. 壊れるようにする(壊れやすくする)
  2. サポートを打ち切る(使えなくする)
  3. 買い換えたくする(飽きさせる)
  4. 買い換えたくする(高機能化する)

このうち上記の<3>が陳腐化戦略になる。
<3><4>の違いはその新商品の違いがデザイン的な部分が大きいということ。
<3>戦略の旧機種は「ダサい」と言われ、<4>戦略の旧機種は「使いにくい」といわれる。

陳腐化戦略の例

以前だとドコモの携帯電話なんかがそうだった。
 スティック型 → 折りたたみ → パネル回転 → スライド式
と最先端機種の形状をどんどん変えていくことで
「この形を持っているのは格好良い」をどんどん変えていった。
最近ではApple
iPad2が出たことによりiPadは「新しいiPadを見ていると、旧iPadが太って醜いものに見えてくる。
と上記リンクの記事では言わしめている。
これが正に陳腐化戦略。
そう思わせる、ということは次の形を出して「これが新しい『格好良い』の形!」と提案できれば
今のiPad2を「あんな格好悪いのを未だに使っている」と思わせられるわけだ。

陳腐化戦略を取る会社が嫌い

なんでこんな事を言ったかというと、陳腐化戦略を取る会社が嫌いだから。
陳腐化戦略を積極的に取っている、それで食っている(主に稼いでいる)という時点でその会社からは買いたくない。
大体これだけ「エコ」とか抜かしているマスコミもiPad2を積極的に評価して、
「買い換えたい」とか平気で言うのはおかしいと思わないのか?
まぁ、マスコミの言うことなんかどうでも良いんだけど。


陳腐化戦略ははっきり言うと「購入者をバカにしている戦略」だと思っている。
購入者を神様どころか、金をいかに落とさせるかしか考えていない。
前職で同僚がある商品の陳腐化戦略を担当していたが、陳腐化戦略ははっきり言うと
「自社の前バージョンの機械をいかに捨てさせるか」だ。
機能的に良い物を作って喜ばれよう、という発想とは違うベクトルがそこにはある。


もちろん開発を続けるためにも売上は必要だし儲けないといけない。
だが陳腐化戦略が上手くいくと必要以上に儲けられる。
転職して実感したが、儲けは大切だけどやっぱり適切な儲け方とか儲けの額ってのはあるな、と思う。
Appleは戦略がちょっとうまく行き過ぎちゃってるな、前職の某社も。
その戦略は経営者(創始者)が変わらないと変わらないと思うけど。
だからiPad2は買うつもりはないし、Android3.0機器に大いに期待する。
そして自分の考える良い戦略についてはまた後日。