ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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日本のテレビ産業とアニメ産業の復活には月九でのアニメ放送が特効薬

テレビ産業の視聴率の低下に伴う広告収入の低下の危機感からか、
北京五輪のダイジェストを無料でネット放送するなどテレビ業界のネット対応もようやく始まったようです。


でも結局本質のところでは、「魅力のあるコンテンツを作る」ことをしないとテレビの復活は無い。
そのためには日本のテレビ業界の特殊性も良く分かっておかないといけないと思います。


まず日本のテレビ業界はほとんどのコンテンツが自国内製。
映画などを除けばほとんどが自局で作成したものを流している。
こんな国はアメリカと日本以外ではあまり無いらしい。
(オーストラリアなんかじゃ自国産業育成のため、海外コンテンツの放送制限があるほど)
この豊富なコンテンツを、今はテレビで流して終わり。
日本のテレビ産業がちゃんとこれからも「食っていける」ようになるには、
コンテンツのレベルアップが不可欠。
そしてそれによって

  • 視聴率回復による広告収入の回復
  • 高品質なコンテンツの積極的な再販
  • 更にはコンテンツの海外輸出

という「一粒で三度おいしい」戦略を実現しないと、自国で産業を回していくことはもはや不可能。
不可能、と言い切るのはこれから先、人口は減る上にネットの発達でテレビに割く時間はどんどん減っていくから。
無いパイに向かってマスを取りに行く戦略は無謀以外の何者でもない。


ではそう考えた上でやらなければいけないことは、
「再販可能な上、世界レベルで魅力のあるコンテンツを作らないといけない」ということ。
一つはバラエティ。すでに番組のアイデアを海外に再販するビジネスに取り組み始めています。
逆に危機的なのが「ドラマ」。
俳優重視でとにかく並べりゃ視聴率が取れるだろう、なんて造りじゃ再販は上手くいかないし、
世界戦略で見れば魅力が無いのは当たり前。
「じゃあ日本で『24』を作ればいいということか!」
というのは正に正論で、それが出来れば再販も世界戦略も思いのまま。
ところがそれをやるには残念ながら費用面での壁がのしかかる。
最初から世界戦略を見込んで制作費を出せる海外ドラマに対して、日本国内のコンテンツ流通を考えるドラマではその制作費に違いがあるのは明らか。
さて、そんな中で世界に自慢できる日本のコンテンツって何か?


ということでアニメです。
日本ではやたら日本のアニメの評価が低いんだけど、日本のアニメ産業は世界的にはレベルが高いといわれている。
しかし今のアニメは「子供向け」と「マニア向け」の二方向にベクトルが集約されていて、
広い層に受け入れられているとはとても言いがたい。
ここで、「月九で流せる本気のアニメ」を作ったらどうか。
アニメなら制作費はかかったとしても実写ほどじゃない。(もちろん一概には言えないだろうけど)
何より、世界戦略で考えるなら声優に俳優を持ってくるなんてアイデアは出ないでしょう。ちゃんとプロに頼むとレベルが上がる上に安くなる。
日本のアニメなら世界に受け入れられるし、アニメ産業でしっかり金をかねたものを作るきっかけにもなる。


日本のアニメの消費国No.1はもちろん日本なんだけど、No.2はフランスらしい。
フランスの文化では普通にドラゴンボールも、キャプテン翼も、ベルサイユのバラも(!)みんな知っているらしい。
中国じゃ「クレヨンしんちゃん」はみんな見ているらしいし、日本のアニメが大人向けにあればそれを受け入れるだけの
市場性は世界に十分あると思う。
むしろ受け入れないのは日本かもしれないけどね。
面白いものを素直に「面白い」といえない国民性だと思うし。


ということでまじめに検討の余地のあるアイデアだと個人的には思うけどなぁ。
日本のテレビ産業と、アニメ産業を一度に救う上に、日本のコンテンツ産業が世界にまじめに出て行ける
一つのきっかけになるかもしれない。
・・・っつぅか今のドラマって漫画原作のものがすごく多いんでしょ?
だったら下手な俳優を持ってきて雰囲気をぶち壊すよりも、原作そのままで踏襲するほうが素直で面白いと思うんだけど。
どうなんでしょうねぇ。