バイオエタノールで食糧難→「人道的支援のため財政支援」
世界的な食糧不足が発生して、例えば香港では米の値段が上がった上に数量も足りなくて買えなくなっているそうです。
難民キャンプでは食料が調達できなくなりどう配分するかに頭を悩ませているそう。
難しいのは世界的には「食料が圧倒的に足りない」というわけではなく、
カロリーベースで単純に考えると世界の人口が食うだけの食料は世界で生産されているらしい。
つまりはそれが適切に配分されていないために食糧難が発生するとのこと。
先ほど「カロリーベース」と書いたけど、カロリー、つまり熱量が足りていても
パンしか食べない地域に米を持っていっても食糧不足は解決しない。
米にしたって日本にタイ米を持ってきたって米不足の時には解消しない。
つまりは国や地域による特性があるというのが基本的な問題。
でも問題はそれだけじゃなく、例えば国が豊かになると食糧難になる、ということもある。
中国は正にそうで、今まで穀物を中心に食べていた人が肉を食べるようになると食料の生産性は急激に下がる。
これは肉の生産性の問題で、穀物が100あると、人が食べると100の栄養になるが、
鶏肉なんかでは10、牛肉では1の栄養にしかならないらしい。
牛肉の残り99は肉を育てるための栄養に振り分けられてしまうとのこと。
つまり穀物中心食が肉食に完全移行したとすると、これまでの100倍穀物を生産しないと食料の供給が追いつかない計算となる。
(もちろん今まで100%穀物食から100%肉食に移行するわけじゃないのでこんな極端には変化しない)
更にアメリカを中心に穀物を自動車の燃料に使用しようという「バイオエタノール」構想もある。
アメリカじゃバイオエタノールを推奨したせいで穀物畑を潰してバイオメタノール用の穀物生産に切り替えが
急速に進んでいるらしい。
こう考えると今の食糧事情というのは単純な不作などではなく、かなり構造的な問題を孕んでいるということが分かる。
つまり対策すべきは単純な金銭的支援などではなく、長期的視点に立って
- 穀物の生産性のアップ
- 穀物の生産地域のアップ(砂漠など極限環境での耕作)
- 肉食の漸減による効率化のアップ(教育・税制による対策)
- バイオエタノールの廃止・税制対策
あたりを複合的に施工していかないといけないということ。
アメリカは今の食糧危機に対して大型の金融援助を申し出ているが、的外れもいいところとしか言いようが無い。
アメリカは口約束だけして財政援助を実際には全額しないことが多い国でもあるし、
実効性の良く分からない財政援助ではなく、今施行したバイオエタノールの優遇措置をさっさと打ち切ればよい。
それで当面の対処としては一番効果的だと思うんですが、どうなんでしょうか。