ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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ゲーセン崩壊の危機

全国のゲームセンターが次々閉店しているそうです。
まぁ、確かに行かないわなぁ。
対戦ゲームの後は体感ゲームで復活し、最近ではメダルゲームでそこそこ復活したそうですが
体感係のゲームは「Wii」の登場により家庭で楽しめるようになってしまい
ゲームセンターという「場所」に行く動機はとことん下がっているといわざるを得ません。


そんな中で「ソフトの復活はゲーセンから始まる」という記事です。
先のゲームセンターがつぶれていくという現状と予測に対して「その見方に異を唱え」るそうです。
ゲームセンターという場所貸し、時間貸しビジネスこそユーザーの目を直接的に反映し、
サプライヤー(メーカ)の目を鍛える最良の手段である、と。


う〜ん、個人的にはカナリ疑問符です。
まず大前提としてゲームセンターで遊ぶことが前提になっていないのが現状では?
最先端のゲームはゲームセンターにしかない、という前提自体が崩れて、
更にゲームセンターに行くようなコアユーザだけでは商売が成り立たない事業規模に育ってしまっているのが現在のゲーム市場。
そして先行的にコアユーザに遊んでもらい、その反応を調べるということでは
ゲームセンターよりもむしろネットのほうがコアユーザの意見を直接聞くことが出来、
しかも配信によってすぐに情報を更新することができる。
まだ完成度が低い状態での「αユーザテスト」なんてことはそれこそ以前出来なかった「夢の手法」では無いでしょうか。


個人的にはゲームセンターは今までのやり方ではやっていけないと感じています。
ゲームセンターという「場」をいかに利用するか。いくつか方法はあると思いますが

  • 先鋭化 :高付加価値化
  • 高齢化 :ターゲットの絞込み
  • 大衆化 :ターゲットの拡大

あたりじゃないでしょうか。


●先鋭化
今のゲームの方向性だと思います。
よりリアルな、「家庭では出来ない」大規模施設によってゲーム自体をエンターテイメントにする。
一回のプレイは500円とか1000円でも、やってみたくなる設備にする。
家庭でもガンシューティングからダンスゲーム、音楽ゲームが出来る昨今、それを越える提案が必要になります。


●高齢化
一部メダルゲームがすでにその方向性に入っていますが、
高齢化社会においての老人たちの「社交場」をメダルゲームをはじめとするゲームが担える可能性があります。
むしろ老人にターゲットを決めて長い時間遊べるゲームとかを出していくと、安定顧客が狙える可能性もあります。
版権高いかもしれませんが、モノポリーとか恐竜物よりも、寅さんや美空ひばりメダルゲームが受けるかもしれません。


●大衆化
先細りの現状を打破するにはWiiが成功したような「間口を広げる」戦略が必要です。
ムシキング」をはじめとした低年齢に受けるもの、20〜30代男性に受けるガンダム物、女子高生が大好きなプリクラと
幅広い層を取り囲もうとしていますが個々にはそれぞれ狭いターゲットになりがちだし、
全体としても40代の男女や、お母さん世代を取り込むようなものはまだまだ少ないのではないでしょうか。
この部分を取り込まなければ「家族でゲーセン」という環境にはならないのでは?


と個人的に考えるゲーセンの今後の戦略はこんなイメージです。
中小の街のゲーセンは、顧客ターゲットを高校生から老人に変えるべきかもしれません。
ある程度大きいところは更に先鋭化するか、大衆化を狙うかになりますが、
その部分においては提供するソフト(つまりメーカの戦略)も大きくかかわってきます。
つまりセガのように、最終的にどんな「遊び方」を提供するのか、という末端まで責任を取らないと回らない状況になっているということです。
記事で書かれている「スク・エニタイトーの親会社になった」ことの意味はこういった戦略に大きな投資が必要になるという
戦略上の問題もあるかと思います。


兎にも角にも、ゲームセンターが崩壊の危機というのは穿った見方ではなく、事実なのではないかなというのが正直な感想です。
日本にしかないシステムだとしてもネット社会でその必要性も薄いのではないでしょうか。
DDR(ダンスダンスレボリューション)のような画期的なソフトは排出してきましたが、それが「残すべき」物だとは思いません。
残念な流れだとは思いますが。