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ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

お金のことについて

引き続き「お金は銀行に預けるな」の書評。

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

多分今週一杯ぐらいになるかな。
お金とは自分の労働の対価であり、消費はその労働を別の資産に変換する行為である。
だとすれば貯蓄とか投資とは?
貯蓄というのは何だろう。「塩漬け」ってことかな。
感謝の結果を何も形に表していない、ということかもしれない。
もちろん後のために取っておく、というリスクを持たない結果とも言える。
しかし全く資産を運用しない、ということは感謝の念を誰にも表していないということ。
これは「参政権を持っているのに選挙に行っていない」のと同じことだ、と作者は言う。
この表現はすっと胸に落ち着くところがあり、興味深かった。


ではその資産の運用、投資とは何か。
つまりそれは感謝を形に表すことだ、と本来は思う。
株を買うというのはその会社の資本に(ごく一部でも)参加するということで、
その会社の行く末にいっちょ噛みすると言うことに他ならない。
もちろん短期的にはいろんな思惑やテクニカルな要因が重なってその価値と言うのは上下するわけで、
その部分の値動きはむしろ投機的な思惑が強い。
しかし長期的にその会社の株を持つと言うことはやはりその会社の行く末に相乗りすると言うことだと思う。
だから自分が良いと思う会社に一票を投じる行為、それが投資だと言うわけだ。


こう考えると今までろくな投資もせず資産を塩漬けにしていた自分は
情けないなぁ、という気分にむしろなってくる。
自分は何に一票を投じたいのか、何の価値をあげたいと考えているのか。
そういった人生観を試されているんだな、と言うことがだんだんと分かってくる。


というコンセプトの話はもちろんあるし、テクニカルな考え方もちゃんと解説されている。
まずなんで銀行に預金するとダメなのか、ということ。
もちろん日常の生活費ぐらいは必要だとして、銀行に預けている金はどう運用されているか。
国債を買ったり、住宅ローンとして個人に貸し付けたり、そんなことを集めた金でやっている。
それで銀行が儲かっていると言うことは、国債は個人が直接買えばいいし、
住宅ローンは出来る限り組まずに済めばそれに越したことは無い。
短期的には儲けは有限なわけだから、誰かが儲かっているなら自分が損をしている可能性を考えればよい。
そう考えると、銀行にお金を預けるメリットは無い、という結論になるわけだ。


逆に素人が株に手を出すのはやめたほうがいい、というのも著者の一貫した意見。
プロのトレーダーが活躍する株の世界に、素人が手を出して儲かるほど甘くは無い。
長期的にはプラスになるとしても、短期的には儲けは株をやり取りする人たちの間では
有限なわけで、誰かが極端に儲ければ当然誰かが損をしている。
多くの場合損をするのは時間も情報もあるプロではなく、素人になっているというわけだ。
結果最初は間違いの無い(意思の入らない)国債やインデックス連動型から初めてはどうか、というのが著者の最終的な意見。
残念ながらこの説明の説得力には納得せざるを得ない。
情けないぐらい自分の金融知識が無いこと、「一年ぐらいかけて入り口に立てるように」という
著者の目標設定が納得感があることが流れとしてよかった。