ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

ボードゲーム・3Dプリント作品・3DCG制作を行う「ペンとサイコロ」のブログです。公式サイトはこちら→http://penanddice.webcrow.jp/

映画の時代の0.5歩先

よく言われるのが、「時代の0.5歩先を進んだ商品がヒットする」というもの。
一歩先、二歩先に行ってしまうと顧客がついて来れない。
今でこそ「電話+PDAスマートフォンですが、携帯電話すら普及しきっていない10年前、
PDA(当時は「電子手帳」)に電話を積み込んでしまう、という発想は「変態改造」以外の何者でもなかったに違いありません。
そんな時代の一歩先を行ってしまったのが「ピノキオ」。発売元は天下の松下、通信形態はPHSです。(通信速度・音質ともPHSが上回っていたため)
その後「電子手帳」というジャンル自体が大きく衰退し、日本では現在「ザウルス」シリーズが何とか生き残っている状態。
(業務用ではCASIOの「CASIOPEA」も現役です)
むしろ電話機をベースにした「PDA」が時代の最先端になりつつあるのは皮肉としか言いようがありません。


なんでこんなことを思ったか、と言うとこの記事を見たから。
「プライベート・ライアン」冒頭のオマハ・ビーチへの上陸作戦を3人で再現したムービー - GIGAZINE
たった三人の出演者でこのムービーが作れるそうです。すげぇ・・・
この三人がすごい、ということよりもこれからの映画作りは本当に重厚長大なのか?ということを考えるきっかけになるんじゃないでしょうか。
最近はVFXとかCGも普通に映画の中で使われるようになっているし、そうなるとむしろ今までの実写映画の技術ではなく
ゲームの技術が映画に取り入れられていくほうがいいんじゃないか。
つまり最終的に「ゲーム会社が自分で栄が作るほうがいいんじゃないか」というのも一つの進化の方向として十分あると思う。
もちろん今までもこういう話というのはされているし、スクウェア(当時)は「ファイナルファンタジー」の映画で大コケしている。
(「興行的な失敗」ではギネスにも乗ったとのこと・・・)


いわゆる「セル画」映画ではなく、3D-CG映画も普通にヒットするこのご時世、ゲームメーカの技術を終結してよい映画を作ることが出来れば、
それをゲームにもフィードバックできるし、企業としての基盤も強くなると思うんだけど、どうなんだろう。
あとゲームについては根本的に使用者を増やすことを考えないといけないよね。
Wiiも一つ成功しているけど、あれが定着するかどうかは今後の問題になると思う。
それとは別に、今の最先端のゲームも一つ残していかないと貴重な資産がなくなってしまう。
個人的には「なぜ映画にはたかが2時間で何千円も払うのに、ゲームには何十時間も楽しめて数千円が払えないのか?」ということを思う。
本当に良質なエンターテインメントを提供すれば、それが短い時間であれ何千円でも払う層というのは世界中に存在することは映画で証明されているわけだ。
つまり今のゲームは自分たちの領域に閉じこもって、本当に消費者の楽しめるものになっていないんじゃないか?
その原因が「操作系」にあると判断した任天堂の戦略は非常に正しい。
「ゲームは面白いかもしれないけど、自分には難しそう」と敬遠していた非常に多数の層を取り込めたのだから。
ゲーマーの端くれとして、本当にゲーム業界にはがんばってほしいと思います。