ペンとサイコロ -pen and dice- BLOG

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今月の日経サイエンスの記事より。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気があります。
有名なところではホーキンズ博士がかかっている病気で、博士は発症して40年生きているそうですが通常は3〜5年で死に至る、かなり恐ろしい病気です。


恐ろしいのは病気の致死率だけでなく、その症状。
筋肉が徐々に萎縮し、動かなくなる病気なんですが、全身の筋肉が動かなくなって最終的には呼吸ができなくなっても五感だけはばっちり働いている。
動けなくなり、回りに迷惑をかけ、最後に亡くなっていく様を自分で感じて、理解できるということが恐ろしい病気だと思います。


現在は原因は分からないまでも、対処法がぽつぽつと分かり始めているそうですが、
いざ自分がなったらどうしようということをかなり真剣に考えさせられる記事ではありました。
ALSの80%は「突発性」であり、誰にいつ起こってもおかしくない病気だそうです。
(残りは遺伝性のもの)
ではいざ自分に起こったらどうするか。
亡くなった後の家族の生活費は保険で賄えるといっても、100%賄えるか分からない。
生まれたばかりの娘が物心つくころに自分がいないかもしれない。


そういや漫画「EDEN」はこんな感じの奇病が人類に蔓延したから機械化が進んだ、っちゅう設定だったよなぁ。
オレも脳からの信号で動かすアクチュエータの実験の被験者になるかなぁ。
治療薬の開発もようやく始まったということで治験対象に申し込むことになるのかな、とか。


・・・と思ったら次のページの特集が「治験のシステムについて」。
「治験とは『今回の患者を対象に、未来の患者の治療に役立てるもの』で、その患者を助けることが目的ではない」そうです。
まぁ、そうなんだろうけどさ。
わかってはいてもすがってしまう、それが治験の恐ろしさなんだろうなぁ。
ってか何だ、このはかったような紙面づくり。

治験の中でも、実際の患者を対象に大規模に行われる「第三相試験」では、

効果を確かめるために治療薬を与える集団と「対象群」といわれる薬を与えない集団を作ります。

誰が対象群かは分からないようにするため、プラセボ(偽薬)を与えて患者や医者にも誰が対象群か教えない

「二重目隠し試験」とすることになっています。

こういう意味でも自分にそもそも薬が与えられているかも分からない治験というのは、患者にとってギャンブルであって治療ではないわけです。